最も上昇幅が大きいのは京阪本線の野江→京橋で、118%から134%へ16ポイント上昇。次いでJR京都線普通(国交省のデータでは「東海道(緩行)」と表記)の東淀川→新大阪とJR阪和線快速の堺市→天王寺で、どちらも13ポイント上昇した。ただ、ピーク時の輸送人員は3区間とも減っており、混雑率が上昇したのは列車本数の減少などで輸送力が減ったためだ。
15年度比で輸送力がアップしたのは14区間中2区間のみで、列車の10両編成化が進んだ都営新宿線の西大島→住吉が約2500人分増と群を抜いて多く、次いで名鉄本線の神宮前→金山が約300人分増えた。
一方、利用者が増えた区間も5区間ある。最多は都営新宿線で約4000人も増加したが、同線は輸送力もアップしたため、混雑率の上昇は1ポイントに抑えている。次いで多いのが東京メトロ日比谷線の三ノ輪→入谷で約2400人、JR大阪環状線の鶴橋→玉造が約1000人、名鉄本線の神宮前→金山が約700人、JR京都線快速(国交省のデータでは「東海道(快速)」と表記)の茨木→新大阪が約550人増えている。
最混雑時間帯が変わった区間も
混雑のピーク時が変わった路線もある。名古屋圏の主要区間の1つである名古屋市営地下鉄の東山線は25年度から、混雑率データの基になる最混雑時間帯が前年度までの朝7時30分~8時30分から17時30分~18時30分に変わった。25年度の混雑率は128%だ。
同地下鉄を運営する名古屋市交通局によると、これは「25年3月に行ったダイヤ変更で朝方の運転本数が28本から29本に増えたため」という。輸送力がアップしたことで朝の混雑率が127%台に下がったため、運転本数が変わっていない夕方が最も混みあう時間帯になったという。
実際に利用していると、以前の状態に戻ってしまったかのようにも感じる通勤電車の混雑。だが、データを比較すると、その姿は10年前とは変わってきたといえる。混雑率の推移は、「通勤」のあり方やライフスタイルの変化を示すバロメーターともいえるだろう。

