そして、この10年間で急速に存在感を増したのは、25年度に混雑率169%でワースト2位となった福岡市の郊外路線、西日本鉄道(西鉄)貝塚線の名島→貝塚間だろう。
地域に馴染みのない人には意外に思える同線は、実は以前から首都圏以外では有数の混雑路線。15年度も首都圏以外の路線としては大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)御堂筋線、仙台市地下鉄南北線、阪急電鉄神戸本線、同宝塚本線に次いで高い水準の142%だったが、首都圏を中心により混雑の激しい路線が多かったため目立たなかった。

同線は2両編成でピーク時の運行本数も6本と輸送力が少なかったことから、コロナ禍で主要通勤路線の利用者が激減する中で混雑率が「高止まり」し、20年度以降ワースト10の常連に。利用者数も25年度は15年度比で約400人増加している。
だが、同線は26年度以降「ワースト脱却」の可能性が高そうだ。西鉄は今年3月、同線で19年ぶりとなるダイヤ改正を実施。途中駅の香椎花園前にホームを新設してラッシュ時に同駅と貝塚駅の間で2本増発し、同区間を1時間当たり8本とした。単純計算すると、利用者数が同じなら混雑率は約127%まで下がることになる。
かつての「ワースト上位路線」は今
では、15年度のワースト10に入っていたかつての「常連」で、25年度は10位圏外となった各線の混雑率はどのように変わったのだろうか。
最も混雑率が下がったのは、15年度に3位だったJR横須賀線の武蔵小杉→西大井で、193%から138%まで55ポイント低下した。同区間はピーク時1時間当たりの輸送人員が約3万6000人から約25800人へと1万人ほど減ったのが要因だ。15年度に1位だったJR総武線各駅停車の錦糸町→両国も、199%から151%まで48ポイント低下。同区間も輸送人員が約7万6000人から約5万6000人まで2万人ほど減った。


