これはおかしな話です。というのも大昔、人間が狩猟採集をしていた時代に人間が肉を選り好み出来たはずがありません。当然、肉食動物の肉も食べていたことでしょう。にもかかわらず、現代では草食動物しか食べません。なぜ人間は、肉食動物の肉を食べないのでしょうか。
なぜ「人の肉」を食べてはいけないのか
現在、人が肉食動物の肉を食べないのには、3つの理由があります。1つ目は「安全面」です。ただし、単純に肉食動物を狩るのが危険だということではありません。
まず、動物は生きていく中で、潜在的に有害な物質を体内に取り込んでいることがあります。野生動物は本当に何でも食べますからね。彼らが体内に取り込む、寄生虫や微生物、重金属、化学物質の中には、尿などで体外に排出されず体内に残るものも多いのです。
その動物を他の大型動物が食べると、小型動物に溜まった有害物質をすべて体内に取り込むことになります。これは連鎖的に起こるため、食物連鎖の頂点にいればいるほど有害物質が体内に密度高く溜まっていくのです。たとえばネズミを100匹食べた動物を10匹食べるだけで、ネズミ1000匹分の有害物質を体内に溜めることになります。
これを「生物濃縮」と言います。生物濃縮によって有害物質が数百万倍に濃縮される動物もいます。たとえばフグやカキが毒を持つのは、生まれた時から毒を持っているだけではなく、自然界で生きる中で、毒のある細菌や生物を餌として食べることでフグやカキは体内に毒を溜め込みます。その他肉食動物は、すべての肉を生で食べることから、寄生虫が蓄積するとも言われています。
しかし、食物連鎖で上の方に有害物質が溜まっていくのなら、なぜ私たちが大型の魚やクジラを食べるのは問題ないのでしょうか? 大型の魚もプランクトンや小魚を大量に食べるのに、なぜ肉食動物はダメで魚は大丈夫なのでしょうか?
これは、陸上の肉食動物の方が、より人間に身体構造が近いからだと考えられます。病気の中には動物にもヒトにも感染する病気、通称「人獣共通感染症」が存在します。鳥インフルエンザや狂犬病などです。
野生動物の体内のウイルスが人に感染するには、ウイルスにある程度の突然変異が起こらなければなりません。当然ですが、この突然変異は、体の構造が近ければ近いほど小さな変異で良いのです。極論を言えば、同種の動物から同種の動物へは変異がなくともすぐに感染します。

