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最大で巣の7割が何もしていないことも…巣の維持のため《あえて2割は働かない》アリたちの「絶妙すぎる生存戦略」

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なぜアリの2割は働かないのか…その理由を解説します(写真:工場長/PIXTA)
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しかし、アリは本当に働き者なのでしょうか。アリの巣を観察した研究によれば、大体2割ぐらいは「働いていないアリ」がいるようです。最大で、巣の7割ほどが何もしていない瞬間もあったようです。80%ぐらいの稼働率というのは、まぁ別に普通です。人間だって週7日のうち5日は働いています。

我々は、働いているアリしか見かけないので、アリが働き者だと思うのです。サボっているアリは巣から出てきませんからね。

興味深いことに、この「サボり組」を排除して精鋭の働きアリだけで集団を作っても、しばらくすると再び2割のアリが働かなくなります。彼らは単に怠慢なのではなく、集団として「あえてサボる」という特性を維持しているようです。

(出所:『生命・地球・植物・動物・宇宙をめぐる46億年の物語 科学の教養大全』より)

一体なぜ、アリはこれほどまでに不合理とも見える戦略をとるのでしょうか。当たり前ですが、巣を維持するためには日々、膨大な量の仕事があります。仕事を効率良くこなすためには必要な個体を必要な場所に適切に配置する戦略が必要です。

必要な仕事に必要な個体数が自動で割り当てられる

しかし、アリには優れた指揮官がいるわけでも、各々が優れた状況判断能力を有しているわけでもありません。というか、昆虫の脳は小さいので、そんなこと出来る知能はありません。何も戦略がなければ、全員が女王の巣の掃除をして、誰も餌を取りに行かず全滅する可能性だってあります。

しかし、単純な反応しか出来ないアリの統率を取る仕組みがあるのです。それが「反応閾値」の違いです。反応閾値とは、その個体が持つ仕事へのフットワークの重さです。反応閾値が低いほど、すぐ仕事に取り掛かります。

たとえば、部屋が散らかってきた時にすぐ片付ける人もいれば、ギリギリまで散らかってから掃除し出す人もいます。これが反応閾値の違いです。この違いが、アリの特性にも備わっています。

たとえば巣の幼虫が腹をすかせたと泣いている時、真っ先に反応閾値が低い敏感なアリが仕事に向かいます。それでも事態が収束しなければ、徐々に反応閾値が高いアリたちも働き始めます。やがて幼虫すべてが満腹になると、みんな仕事が終わります。このように反応閾値に個体差があれば、必要な仕事に必要な個体数が自動で割り当てられることになります。

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