この数値は、ソリオの同54%、29%、ルーミーの同52%、32%とほとんど変わらない。ユーザーが求める価値は、軽自動車とトールワゴンの間で地続きなのである。
価格差もそこまで大きくない。平均車両本体価格はN-BOXが約227万円であるのに対し、ルーミーは244万円、ソリオは254万円だった。グレードや装備条件による違いには注意が必要だが、差は20万~30万円程度に収まる。
軽自動車の価格上昇が進んだ結果、「少し追加すれば普通車を買える」という状況が生まれている。その追加負担によって、車体の余裕や動力性能、高速走行時の安心感を得られるのであれば、トールワゴンを選ぶ合理性は高い。
軽とミニバンの間にある「大きな需要」
ルーミーもソリオも十分売れているのに、それらに続く他メーカーのラインナップが少ない、という矛盾があるように思える。
その背景には、このセグメント特有の供給構造があるのかもしれない。国内のトールワゴンは、実質的に次の2系統のOEMに集約されている。
ひとつはダイハツ「トール」系であり、トールをベースに、今回取り上げたルーミー、そしてかつてのトヨタ「タンク」、スバル「ジャスティ」がある。もうひとつはスズキ ソリオ系であり、ソリオの他に三菱「デリカD:2」がある。
いずれも開発しているのは、小型車に強いダイハツとスズキの2社である。
顧客層的に価格にシビアな人々が多くなるため、低価格の実現も必要不可欠である。そのため薄利になり、専用開発の投資回収の難易度は低くないだろう。
国内商品ラインナップを見渡した際に、このセグメントへ新型車を投入しうるとしたら、ホンダと日産になるだろうか。とはいえ、軽スーパーハイトワゴンとコンパクトミニバンを有するホンダからすると、間にトールワゴンを加えれば、自社内でカニバリを起こす難しさを抱えることになる可能性もある。
今回見てきたルーミー、ソリオは、軽自動車では少し物足りない、しかし300万~400万円を超える3列シートミニバンまでは必要ない、と思っている人たちのニーズに合致しているモデルである。スーパーハイトワゴンを中心とする軽自動車と、ミニバン、その間には思っている以上に大きな需要が存在している。


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