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大雪で柑橘が全滅…それでも「規格外品50キロ買います」一流ホテルが支え続ける、小田原・家族経営みかん農家の「本物の味」

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2026年2月の記録的な大雪で、みかんの木は雪に埋もれた(写真:八木下農園提供)
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実は野生動物の影響は、農作物の被害にとどまらない。イノシシやシカは山からマダニを運び、人の生活圏に広げる恐れもある。近年、ウイルスを持つマダニも問題になっているため、注意が必要だ。

「そうならないように、しっかり声を上げて、上まで届けないと」

新規就農した”小田原の宝”

このように敏雄さんが諦めない理由のひとつに、地域への思いがある。

「小田原の柑橘が認められることで、地域に貢献できたらいいなと思って」と敏雄さん。

品質へのこだわりも、値上げへの決断も、獣害への声も。その先にあるのは、自分の畑だけの話ではない。根底にあるのは地元への誇りだ。

敏雄さんの妥協しない姿勢に共感して、InstagramのDMで「そちらで勉強させてください」と連絡をしてきた人物もいる。デザイナーの内山恵太さんだ。

デザイナーで柑橘農家の内山恵太さん。ポップは内山さんがデザインしたもの(写真:筆者撮影)

内山さんは北海道出身。大学進学を機に神奈川へ移り、弟と暮らしていた。農業に興味があったため、果物のWebメディアを立ち上げ、各地の農家を取材していたという。取材を通して出会ったのが、敏雄さんだった。常に上を目指し、果物への向き合い方や、おいしさを追求する姿に触れ、「しっかり学びたい。こういうところで教わりたい」と思ったことが、きっかけだった。

八木下農園の直売所には、ジュースやシロップ、ジャムといった加工品が並ぶ。ラベルは内山さんがデザインしたものだ。

内山さんがデザインしたジュースのラベル(写真:筆者撮影)

「もともと、全部同じラベルだったんです。せっかくこれだけ違う品種があるのに、それが伝わらないのは、もったいないなと思って」と内山さん。

「誰かに渡したくなるようなものにしたい」と思いを込めたラベルにより、加工品の売上は3割ほどアップしたそうだ。

「うちのデザイナー」と敏雄さんは微笑む。

2026年春、内山さんは2年間の研修を終了。今は、弟と2人で柑橘農家を営んでいる。畑は、八木下農園が加工を依頼している工房「やまげん」がかつて使っていた場所を、有償で譲り受けた。

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