モデルの構成には、マイクロソフトの立ち位置がよく表れている。Microsoft 365 Copilot全体では、OpenAIのGPT系列に加え、AnthropicのClaude系列のモデルも選べる。Coworkに限れば、中核を担うのは当初AnthropicのClaudeモデルだけだったが、OpenAIのモデルも加わりつつある。担当者は今後も選べるモデルを増やすと説明した。自社と資本関係の深いOpenAIに限らず、競合企業のAIモデルもオープンソースの基盤も、企業向けの統制の枠内で組み合わせて使わせる。CoworkとScoutの作りは、その戦略を製品の形で示している。
壁はツールではなく組織とコスト
山田氏が繰り返し強調したのは、AI活用の課題がツールの有無ではなくなったという認識だ。同社の調査では、日経225企業の87%がすでにAIエージェントを業務で使っている。しかもその企業はすべて、現場の社員が自分の業務に合わせてエージェントを作る、市民開発によるエージェントを利用しているという。集計対象はMicrosoft 365 CopilotやCopilot Studioといった同社製品上のエージェントで、いわば自社の顧客基盤の観測ではあるが、日本の大企業での浸透ぶりを示す数字ではある。少なくとも大企業では、導入するかどうかより、どう使いこなすかが論点になりつつある。

