Work IQが誰とどんな仕事をしているかという文脈を補うのに対し、具体的な作業手順の再現はスキルという仕組みが受け持つ。手順を「SKILL.md」というファイルに言語化しておけば、次回からは目的を伝えるだけで同じ手順を再現できる。良い仕事の流れができたら「スキル化して」と一言指示するだけでファイルが自動生成されるため、業務フローの分解に不慣れな利用者でも使い込むほど手順が蓄積されていく。こうした手順は個人の再利用にとどまらない。IT管理者が外部サービスへの接続機能とセットで社内に配布し、部署の標準手順として共有する使い方も想定されている。
PCを操作するScout、土台はオープンソース
Scoutのデモは経費精算だった。「先週の出張経費を精算して」と指示すると、Microsoft 365上のデータとPC内の領収書を検索して内容を解析し、ブラウザを起動して経費精算ツールを開き、利用者が内容を確認して承認すると登録作業まで実行する。イベントサイトにサインインし、条件に合う講演を探して参加予定に登録するデモも披露した。15分おきに指定テーマの情報を収集してメールで通知するといった、常駐型ならではの定期実行にも対応する。PCへの負荷は、裏で動かす分には重くないというのが山田氏の実感だ。
Scoutの土台は、オープンソースのエージェント基盤OpenClawだ。外部技術の採用は、マイクロソフト自身が公式ブログで明らかにしている。そのうえで同社が独自に加えたのが、企業向けの統制にあたる部分だ。Scoutのエージェントには専用の社内IDが割り当てられ、誰の指示で何を実行したかを追跡できる。権限は必要な作業に限って一時的に与えられ、社内の情報保護ルールにも従う。さらにWork IQを組み合わせ、メールや会議などの社内文脈を参照しながら動ける点も、OpenClawを単体で使う場合との違いになるという。

