思いどおりに生きると、寿命が延びた
私の患者だった遠藤崇史さん(仮名)は、一級建築士です。62歳のときに大腸と食道にがんが見つかり、肝臓にも転移していました。
病院の医師は「入院をして抗がん剤治療をすると余命6カ月。1カ月で死ぬこともある。入院しなければ3カ月」と言いましたが、遠藤さんは自宅で過ごすことを選びました。その理由は、「仕事をしたい。抗がん剤で1〜2カ月延命をするよりも、進行中の仕事をやり遂げたい」ということでした。
遠藤さんは、小笠原内科の緩和ケア外来に通院し、仕事に専念しました。通院し始めて5カ月後に、遠藤さんの体力が落ちたので、在宅ホスピス緩和ケアに切り替えました。体調のよい日には仕事に励むだけでなく、夫婦でお寺参りに行ったり、孫と遊んだりしていました。
こうして、がんと宣告されてから7カ月の間を笑顔で過ごし、仕事を全うして、家族に見守られながら遠藤さんは旅立ちました。抗がん剤よりも、「やりがい」が寿命を延ばしたのでしょう。
「希望」が患者さんの状態を改善させることもあります。


※ログイン後、コメント入力が可能です。