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「遠いところだから君は家で待っていなさい」の言葉を残して逝った夫へ…25年後に後を追った妻の"泣けるいじわる"

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25年前に最愛の夫を看取った妻の、切なくも愛おしい「いじわる」とは(写真:HIME&HINA/PIXTA)
  • 小笠原 文雄 医学博士、浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職

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医師として、そして僧侶として、これまで3000人以上を看取ってきた小笠原文雄氏には、勤務医時代に抱いていた「患者さんにも家族にも、死は怖いものである」という考えを改めるきっかけとなった、ある患者さんの旅立ちの経験があるといいます。
大腸がんの手術を経て、在宅医療を受けていたというその患者さんの最期はいったいどんなものだったのでしょうか。小笠原氏の著書『笑って大往生できる人できない人』から一部を抜粋・編集する形で、他の2人の患者さんのエピソードと合わせて紹介します。

思いどおりに生きると、寿命が延びた

私の患者だった遠藤崇史さん(仮名)は、一級建築士です。62歳のときに大腸と食道にがんが見つかり、肝臓にも転移していました。

病院の医師は「入院をして抗がん剤治療をすると余命6カ月。1カ月で死ぬこともある。入院しなければ3カ月」と言いましたが、遠藤さんは自宅で過ごすことを選びました。その理由は、「仕事をしたい。抗がん剤で1〜2カ月延命をするよりも、進行中の仕事をやり遂げたい」ということでした。

遠藤さんは、小笠原内科の緩和ケア外来に通院し、仕事に専念しました。通院し始めて5カ月後に、遠藤さんの体力が落ちたので、在宅ホスピス緩和ケアに切り替えました。体調のよい日には仕事に励むだけでなく、夫婦でお寺参りに行ったり、孫と遊んだりしていました。

こうして、がんと宣告されてから7カ月の間を笑顔で過ごし、仕事を全うして、家族に見守られながら遠藤さんは旅立ちました。抗がん剤よりも、「やりがい」が寿命を延ばしたのでしょう。

「希望」が患者さんの状態を改善させることもあります。

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