大災害時に首都中枢機能を東京都以外の道府県に代替させるという、副首都構想関連法。7月24日夜の参議院本会議で、賛成123、反対121と、わずか2票差という薄氷の状況での可決・成立となった。
与党少数の参院において、採決時には自民党の山崎正昭議員と高橋克法議員が体調不良などで欠席したが、同法に賛成したチームみらい会派の2議員に加え、「与党が取り込みに腐心」(参院自民党の国対幹部)したとされる、無所属の斉藤健一郎議員、平山佐知子議員、望月良男議員が賛成に回ったことで、なんとか出席議員の過半数を確保した。
採決に先立つ自民党の会合では、国対幹部らが「拮抗しているのでボタンを押し間違えないように」と呼びかける場面もあったことが、参院自民党の根回しの苦労を浮き彫りにした。
副首都関連法の成立で、日本維新の会との約束を果たした高市首相。深夜の各党へのあいさつ回りでは満面の笑みを浮かべて握手を繰り返していたが、付き従った参院自民党の幹部は「われわれの苦労を、官邸はわかっていたのだろうか」と首を傾げていた。
「満点の成果」に垣間見える無理筋
これにより、年明けの衆院選を受けて2月18日に召集された今特別国会では、議員立法の副首都構想関連法などに加えて、高市早苗首相肝煎りの皇室典範改正、国旗損壊罪などの「国論を二分する重要政治課題」を含む64本の政府提出法(閣法)が成立。すべての政府提出法が成立したのは2022年の通常国会以来で、「満点の成果」(官邸筋)とも映る。
ただ、「会期末の大混乱」(自民党の国対幹部)にもつながった、「数の力」による与党の強引な国会運営と、それを指示・主導した高市首相の“独裁的手法”には、野党だけでなく、メディアによる批判が渦巻いた。それも踏まえて、最新の各種世論調査では内閣支持率の下落が目立ち、高市首相も「いら立ちと不安を隠せない」(官邸筋)とされる。

