予算委集中審議の閉会中開催は「まさに異例で、記憶にない」(衆院事務局)とされる。野党が厳しく追及する「中傷動画」など一連の疑惑について、「高市首相はこれまでどおりの答弁を繰り返すことで、逃げ切りを狙う構え」(官邸筋)とみられている。
だが、副首都構想関連法を何とか成立させた高市政権と自民党幹部に「冷や水を浴びせた」(自民党執行部)人物がいた。維新を率いる吉村洋文代表(大阪府知事)だ。
副首都構想関連法成立のカギとなった「住民投票と関係自治体の選挙期間が重複しないよう最大限調整する」という付帯決議について、吉村代表は24日夜、記者団に「尊重したいが、有権者は1回で投票できるし、コストも抑えられると考えれば、同日選挙を目指していくべきだ」と発言。大阪都構想をめぐる住民投票と来春の統一地方選挙の「同日実施」に改めて意欲を示した。
すぐさまこの発言にかみついたのが、国民民主党の玉木雄一郎代表だった。記者団に「こんなゴタゴタした国会は初めて。最後に副首都構想の関連法などで混乱した要因の1つは、政府・与党内の連絡調整がうまくいっていなかったことであり、極めてお粗末だ」と指摘。吉村代表の発言について「付帯決議になったプロセスをすべて無視するようなことを言うのは国会軽視もはなはだしい。ありえない発言だ」と厳しい口調で批判した。
自民党の小林鷹之政調会長も「ギリギリの薄氷を踏む思いではあったが、成立したことは非常に意義深い。付帯決議の趣旨を尊重しながら、政権与党として適切に対応していく」と述べていただけに、今回の吉村発言については、政府・与党内でも「与党の党首なのに、国会運営の難しさをまったく理解していない」(自民党執行部)との不満や批判が相次ぐ。
高市・吉村連携の可否が問われる党・内閣人事
そもそも、副首都構想関連法の成立を条件に、高市首相と吉村代表は「維新の閣内入り」で合意していたとされる。政界関係者の間では「高市首相がいつ、どのような人事を断行するのか。その場合、維新の入閣候補は誰なのかが、当面の最大の注目点」という声が多い。
昨年10月の自維連立政権の発足以来、「高市首相にとって政権維持の最大の拠り所は吉村代表との親密な関係」(官邸筋)だった。しかし、会期末の副首都をめぐる一連の経過も踏まえて、自民党内には「今後も高市首相が吉村代表の言いなりになるようなら、党幹部も黙ってはいられない」(長老)との声が多いのも事実だ。
それだけに、「9月までに断行せざるをえない党・内閣人事において、“高市・吉村連携”を維持するかどうかで、高市首相の指導力や求心力が厳しく問われる」(政治ジャーナリスト)ことは間違いなさそうだ。

