フィンランドに、サマーバケーションの季節がやってきた。
私の周りでは、友人たちが数カ月前から、同僚と「いつ夏休みを取るか」を相談していた。フィンランドでは、勤続期間などの条件を満たすと、夏に4週間ほどの休暇を取るのが一般的だ。
夏になると、銀行などでも「今は夏休みシーズンなので、通常より時間がかかります」と案内されることがある。この時期は、仕事やサービスがいつもより少しゆっくり進むようだ。
「何もしない」ための場所
周りの友人たちに夏休みの過ごし方を聞くと、よく返ってくるのが、「サマーコテージへ行って、何もしない」という答えだ。
はじめは「家とは別に、別荘を持っているの?」と驚いたけれど、フィンランドのサマーコテージの形はさまざまだ。ガスや水道のない小さな木造の建物もあれば、祖父母が暮らしていた家を家族で引き継いでいる場合もある。日本語の「別荘」から想像するような、ぜいたくな建物ばかりではない。
今年滞在した古い木造のコテージにも、ガスと水道は通っていなかった。トイレは水洗ではなく、外にあるコンポストトイレ(水で流さず、微生物の働きで処理する仕組み)を使う。水は庭からポリタンクで運び、料理のためにグリルを使うなら薪を割って火を起こすなど、建物のあるキャンプに近い生活だった。

