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「AI・半導体ブーム、日本株ブームはまだ続いている」と主張する人々へ、今は「リーマンショックとは違う形のバブル」が静かに崩壊している

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日本にも期待を寄せるエヌビディアのジェンスン・ファンCEO。日本株の調整は一時的で終わるのか(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

INDEX

やっと、AI・半導体バブルの崩壊が始まったので、バブル崩壊の予言記事を書く必要はなくなった。だが、世間では、依然として「AI・半導体ブーム、世界株とりわけ日本株ブームは続いている」、という認識のようなので、これがバブルかどうか、崩壊が始まっているかどうかについて、説き伏せようとしても仕方がないので、現状を淡々と描写、解説したいと思う。

リーマンショック後、皆が「寄らば大樹」となった

まず、この一連の株式バブルは、2008年のリーマンショックで、壮大なサブプライムから始まるリスクテイクバブル(私の命名、とにかくリスクがあるものを求めてそこに投資する、群がるというバブル、拙著『すべての経済はバブルに通じる』参照)が崩壊したことが起点となっている。

そのバブルの処理をせずに、世界中の中央銀行が量的緩和を行い、マネーによる「実弾買い」を国債に対して行った。これにより、国債バブルになり、欧州危機を経て、さらに財政出動も行われ、マネーが実弾であふれ、これが株式市場にもなだれ込んだ。ここに、世界的な株式バブルが2011年から再開したのである。

まずは、アメリカの超巨大企業GAFA(あるいはGAFAM)であった。なぜGAFAMかと言うと、株式市場的にも、実体経済的にも、リーマンショック後であっただけに、大きいモノ、強いものに巻かれる、逃げ込む、安全策ということになった。リスク投資的にも、実体経済の起業家たちにとっても、であった。IPO(新規株式公開)よりもGAFAMあるいはファイザーという事業会社、プレーヤー自らの事業買収のほうが、金融買収や金融IPOよりも高く買ってもらえ、話も早く、かつ買収後も事業的なメリットが大きかった。GAFAMとファイザーも、完全にプラットフォームビジネスとなり、リスクなしで、確実に生き残りかつ勝ち続けるポジションを得た。

つまり、リーマンショックで、すべての投資家、事業プレーヤーのセンチメント、リスク許容度が下がっていたので、みなが安全な勝ち馬に群がる、大木に身を寄せたのである。政府、中央銀行にすがって、消滅、倒産を回避し、経済が危機回避から成長復活の局面に入ると、次には、守られるだけでなく、成長をも保証してくれる、超大企業、プラットフォーマーに身を寄せ、生き残りと確実な成長を皆が享受したのである。

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