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「AI・半導体ブーム、日本株ブームはまだ続いている」と主張する人々へ、今は「リーマンショックとは違う形のバブル」が静かに崩壊している

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日本にも期待を寄せるエヌビディアのジェンスン・ファンCEO。日本株の調整は一時的で終わるのか(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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株式投資家も、これを100%フォローし、超巨大かつ成長企業かつ、テクノロジーという成長セクターにすべてを投じたのである。これらはすべてアメリカの企業だったから、GAFAMあるいは米国株に全員が群がった。だから、ここは確実な企業群のバブルが始まったのである。

蛇足的に言えば、不況期あるいはその後に確実なものは、薬とゲームだった。どちらもある種の麻薬であり、必需品であるからである。この2つの産業も完全にプラットフォームに取り込まれた。ファイザーは、プラットフォームとなり、R&Dプレーヤーを研究チームであれ、スタートアップであれ、小さいファンドであれ、あるいは、薬のタネであれ、買収して、ファイザーというシステム(組織)に載せ、治験、生産、政府関係、営業、すべてのインフラネットワークを利用して、最大限儲ける仕組みを作った、ゲームとアップルあるいはSNS企業との関係も同じである。

中国国内でも同じことが起きた。アリババ、テンセントなどであるが、アメリカ中心の世界株式市場とは断絶した中国株式市場で同じことが起きた。

マグニフィセント・セブンからエヌビディアだけが選ばれた

次に、これは「Magnificent Seven」(マグニフィセント・セブン)へと変わっていったが、本質はまったく同じだった。超大企業で財務的なリスクがなく、事業モデルもキャッシュフローも確実で、成長もしている企業群からカネを移す必要は全くなかった。超大型グロースの時代となったのであり、ここも投資家が群がり、バブルになったが、フィジカルな裏付けは完璧だったから、バブルは、市場全体のPER(株価収益率)の大幅上昇でしかなかった。ただし、すべては割高にはなったのである。

この流れは永遠かと思われたが、コロナショックで情勢は一変した。リスク資産市場全崩壊かと思いきや、正反対で、政府のカネのバラマキと巣ごもりで、ロビンフッターをはじめ、株式投資初心者がゲーム感覚で株式市場に大挙し、株式市場は波乱の世界となった。同時に、コロナバブル、その後の超インフレ、それによる政策金利急騰により、株式市場の外部環境は急変、不確定、不透明かつ大幅変動を余儀なくされ、超大型グロース株は、それぞれの企業の事業は安泰でも、金融資産としてのリスクは高まり、株式投資家たちは移動先を求めた。次はどこへ?

それは、外部環境に、自分たちの成長ストーリー、株価上昇ストーリーが邪魔されないところだった。金融政策、トランプ政策、米中関係、地政学、そういったものから自由に、成長を続けるというストーリーを信じようと思えば、信じられなくもない、そういうセクターが理想だった。

この審査を通ったのが、NVIDIA(エヌビディア)だった。半導体の新興企業であり、ファブレスだから収益上昇率がすぐに何十倍になることも可能なBSの身軽な企業だった。

あっという間に、GAFAからマグニフィセント・セブンにターゲットが移行した後、セブンの中から、エヌビディアだけが選ばれた。そして、半導体にターゲットを絞り、次には、その半導体の利用先、AIセクターというものが、バブルの中心になったのである。

AIは恐怖感をもって、社会も経済もビジネスワールドも破壊していくように見えた。だから、どんな株価ストーリーも許容された。バブルは作りやすかったのである。

後は、現在多数派の「AI半導体ブームはまだまだ続く、この株価調整局面は仕込みのチャンス、乱高下後には、また右肩上がり成長ストーリーが再開する」というストーリーでおなじみである。例えば、東洋経済オンラインにある、以下の記事(「日経平均6万5000円割れ、キオクシアは54%も下落、それでも今回の下落が上昇相場の間の調整にすぎないと見る3つの根拠」、7月20日)は典型的だ。なぜ強気でいられるのかはまったくわからないが、彼らからすれば、なぜ私がずっと弱気だったのかわからない、ということだから、それは今議論する必要はない。

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