現在も大会前には同様の減量を行っており、日常的なトレーニングも1日1〜2時間、週4〜5日のペースで続いている。そこまでのハードな経験を積み重ねてきたからこそ、日常生活で直面する苦しいことも「あのときと比べたら」と思えるようになった。
「若女将としてのプレッシャーだったり、子育てだったり、日常生活でしんどいことはたくさんあります。でも今は、『減量期間のほうがよっぽどつらいわ』って思えるので、心に余裕が出てきたというか。筋トレが精神的な緩衝材になってる気がします」
やり抜いた経験は性格にも変化を与えた
ハードなトレーニングと減量を何度もやり切った経験は、杉山さんの内面にも大きな変化をもたらした。
「他人と自分を比べることをしなくなりましたね。昔は『私なんて』っていう気持ちがすごく強くて、人と比べてばかりいたんです。『あの人私よりキレイだな。どうしたら自分もああなれるんだろう?』って。でも、自分のなかで最高の体を作れたっていう経験を積んでから、人と比べることはほとんどなくなりました」
ボディコンテストのための減量は4〜6カ月の中長期スパンで行うため、身体的にも精神的にも負荷は大きい。しかしその分、トレーニングをやり切ってステージに立てたことは、何物にも代えがたい達成感につながった。
「初めて大会に出たときも、結果以上に、トレーニングと減量をやり抜いたことがすごく嬉しかったんですよね。『自分のベストを更新できるのは自分しかいない』って、本当にそう思えるようになりました」
そして筋トレによる変化は、性格にも及んだ。
筋トレを始める前、杉山さんは「かなりネガティブ思考な人間」だったという。ところが今は、以前よりずっと外向的になり、多くの人とコミュニケーションが取れるようになったと話す。
そのきっかけの一つは、筋トレのために通っているジムだった。杉山さんは結婚して小田原に嫁いでからは、小田原で友達と呼べる関係の人がほとんどいなかった。しかし、筋トレを始めてジムに通うようになってから、同じ目標を持つ仲間が自然と増えていった。

