好きではない筋トレだからこそ、「立ちたい舞台」という自分なりの動機が必要だった。そして今も、その選択が大会に出続けるモチベーションの源になっている。
加えて、継続のためにもう1つ重要なのが「習慣化」だと杉山さんは言う。
「今は筋トレをしない日があると、なんかウズウズするんですよ。危機感みたいなのを感じるっていうか。歯を磨かないと気持ち悪いのと同じ感覚で、もうやらないと落ち着かないっていう状態になると、やっと継続できるようになった気がします」
筋トレは目的ではなく手段
筋トレを続けることは、想像以上に難しい。「習慣化すればいい」と言われても、それができないから初心者は挫折するのだ。
かくいう私(筆者)も、これまで幾度となく筋トレ継続に挑戦してきた。ジムを契約しては行かなくなり、数十万円単位の会費を無駄にしてきた経験がある。だからこそ、杉山さんの話には妙な説得力があった。
筋トレを続けるためには、モチベーションが必要だ。それも1つではなく、2つ以上あるほうがいい。杉山さんの場合は「理想の自分になること」と「ちっくすパックを売ること」の2つが、互いを補い合いながら継続を支えてきた。
そしてもう1つ、今回の取材で気づかされたことがある。「筋トレが好きだから続けられる」という認識が、そもそも間違いだということだ。
「筋トレは本当に好きじゃないです(笑)。だから私にとって筋トレは目的ではなく、理想の自分になって、ちっくすパックを売るための手段なんです」
好きじゃなくていい。続ける理由さえあれば、人は動ける。杉山さんはそのことを、自らの生き方で証明している。
そして、筋トレが杉山さんにもたらした変化は、大会入賞やちっくすパックの認知拡大だけではなかった。後編では、杉山さんが筋トレを通じて得た、もう1つの大きな変化について聞いた。

