サンコーには、ネッククーラーや食洗機「ラクア」など、長く売れ続けているヒット商品が少なくない。そこを柱にして利益を出せているからこそ、新たな挑戦ができる面もある、と四宮氏は言う。
「まずは少ロットで生産してみて、市場のリアクションを見るケースもあります。いわば実践レベルの市場調査ですね。そこで売れ行きが良ければ、次は1000個とか1万個にする。いきなり大きな挑戦をすると損失も大きくなってしまうので、まずは小さくやってみるというのも手だと思います」
「バズに惑わされない、ものづくりの本質」とは?
「失敗を恐れて無難な企画しか出せない」「SNSでバズっても、実際にはそれほど売れない」というのが、多くのビジネスパーソンの悩みだろう。四宮氏に「バズに惑わされない、ものづくりの本質」について聞いた。
「SNSでバズるものと実際に売れるものは、本質的に異なると考えています。私たちが大切にしているのはバズ狙いではなく、誰かのニッチな悩みを解決し、心から良いと思う商品を生み出すことです。恥ずかしながら失敗も多いですが、社内の誰か1人だけでも本気で『これは良い商品なんだ!』と信じてものづくりをする。結局、一番大事なのは担当者の熱量だと思います」
ややもすると「バズれば売れる」と考え、バズ狙いの施策に終始してしまいがちだが、それでは目的と手段が入れ替わってしまう。失敗を繰り返しつつも、本気で「良い」と信じる熱量を注ぎ込む。サンコーの“迷品”たちは、ものづくりの本質を改めて示している。

