ストレスを受け続けていると、自律神経のバランスが乱れ、常に緊張した状態になります。そして、この「自律神経の乱れ」を放っておくと、脈が乱れやすくなり、期外収縮や動悸が増えやすいのです。
ちなみに、私も自律神経の乱れによる期外収縮の経験者です。私は医師になってから、主に救急医療の現場で約20年間、かなり忙しく働いてきました。自分で言うのは少しはばかられますが、仕事をバリバリするタイプだったと思います。毎日忙しく働くことに慣れきっていたため、そのことをストレスとは感じていませんでした。
ところが、です。2014年に自らのクリニックを開業する前後には、"私の中のバケツ"にストレスが急激にたまり始め、あっという間にあふれ出してしまったのです。「ストレスがたまると、本当に期外収縮を感じるのか」と妙に納得したものです。解決できたのは、もちろんこれからお伝えするセルフケアのおかげです。
自律神経を整えて不整脈を大元から消す
自律神経の乱れが不整脈の引き金ということは、ひるがえって、自律神経が整うと不整脈は減っていきます。そうした内容の医療論文は、世界中で多数発表されています。論文だけにとどまらず、クリニックの患者さんたちもそれを見事に実証してくれています。
先ほど、「期外収縮だから大丈夫」とだけ言われても、不安が増大し、不整脈が悪化してしまうというお話をしましたよね。だからこそ私は、期外収縮や動悸の説明、「本当に大丈夫な理由」などを、いつも患者さんたちにご説明するようにしています。
「この患者さんは大きな不安を抱えているな」とわかったときは、ことさら丁寧に説明します。ときには、「絶対に大丈夫だから」と、たいていの医師は使わない「絶対に」という言葉も、あえて口にします。
それはもちろん、目の前の患者さんが抱えている、大きな不安というストレスを取り除き、過剰に緊張して乱れた自律神経を落ち着かせるためです。
私がこのように接していると、患者さんの顔つきは、自律神経の落ち着きを表すかのように、緊張が緩み、安心した表情へ変わっていきます。なかには、大きな不安から解放されたことで、泣き出す方もいらっしゃいます。そうした表情の変化を見ると、「いかにこれまで不安だったか」がよくわかります。
結果として、こうした患者さんたちは期外収縮を改善させていきます。なかには、「翌日から不整脈が消えた」という人もいるくらいなのです。

