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映画『フォードvsフェラーリ』が教えてくれること
成果を出せる組織とはどんな組織だろうか。そのヒントを、ある映画のストーリーから考えてみたい。2019年に公開された映画『フォードvsフェラーリ』は、1966年のル・マン24時間レースで、アメリカのフォードがイタリアの名門フェラーリに勝利した実話をベースにした作品だ。
売上不振に悩んでいたフォードは、ブランド刷新のためにフェラーリの買収を試みるが、交渉は土壇場で決裂。激怒したフォード2世が「フェラーリをル・マン(24時間レース)で打ち負かせ」と号令を下し、社運をかけたプロジェクトが始まった。
フォードは圧倒的な資金力を背景に、最高のチームを結成した。一流のエンジニア、最新のパーツ、伝説のレーサーであるキャロル・シェルビー。誰もが「これなら勝てる」と信じていた。
しかし、結果は惨敗だった。
原因は、努力の方向が「レースに勝つため」ではなく、「上層部に認めてもらうため」に向いていたことだ。トップの号令で始まったプロジェクトだからこそ、テスト結果よりも報告書の体裁を重視し、開発スピードよりも承認プロセスの遵守を優先する。努力はしているのに、本来の目的からズレた行動ばかりが増えていた。
転機は、シェルビーたちが「会社の顔色をうかがうのではなく、勝つために必要なことをやろう」と決断した瞬間に訪れた。無駄な報告をやめ、現場での判断を優先し、試行錯誤を積み重ねる。努力の方向を変えた結果、フォードはル・マンでフェラーリを打ち破り、史上初の総合優勝を果たした。

