「無駄時間」とは、短期的な成果につながりにくく、中長期的な意図を持って活用できていない時間だ。目的の曖昧な会議や機能していない報告業務といったわかりやすい例だけでなく、難しいタスクを前に考え込みすぎている時間や、達成可能性を無視した無謀すぎる挑戦なども含まれる。
たとえば、同じ「週次ミーティング」でも、情報共有にとどまり議論が深まらなければ無駄時間に近い。進捗のボトルネックを発見し行動改善につなげていれば有効時間になるし、若手を同席させて学ばせる場にしていれば投資時間にもなる。時間そのものではなく、「何のためにその時間を使っているのか」という意図と設計が重要なのだ。
目的の共通認識を持てているかをチェックする
ただし、先述の通り人間は「限定合理的な感情人」である。どれだけ明確に目的を設定しても、時間が経てば形骸化する。一度決めて終わりにするのではなく、メンバーと対話を通じて目的を問い直し続けることが大切だ。感情人だからこそ、メンバーの理解や共感が伴ってはじめて、時間の使い方は本当に変わっていく。
まずは、30分や1時間単位で、チームの時間が何に使われているかを振り返り、その目的を言語化することから始めてみてほしい。複数人が関わるミーティングなどの場合は、その目的の共通認識を持てているかどうかも重要なチェックポイントになる。
マネジメントとは、「何とかやりくりして物事を成し遂げること」。メンバーの時間の投下先をやりくりすることこそが、マネジメントの成功の鍵を握ると言えるだろう。
次回は、同じメンバー構成・同じ労働時間でも、役割分担と時間の使い方次第で成果が大きく変わることを、「足し算型組織」と「掛け算型組織」という視点から解説する。


