地方に行くと、就職期に地元の若い女性のほうが山を下り、里を去って戻ってこない状況が続いていることから、どこも男性余りの状態にある。このことを説明すると、「外国人の女性を"ヨメ"にもらえないか」といった声が、すぐに高齢男性から聞こえてくる。
しかし、今の日本には、高齢男性たちがイメージし、期待するような、「経済格差のある国から大人しい女性が"ヨメ"としてわざわざやってくる」といった環境はない。なぜなら、深刻な円安により、EUでは500ミリリットルのペットボトル入りコーラが800円といった状況にあるため、日本円をもらって母国に仕送りするくらいなら、米ドルやユーロで親に仕送りするほうが、「経済格差婚を我慢して外国に行く」メリットがはるかに大きいからである。
よって今後、現在の円安が大きく変わらない限り、かつての経済格差を利用した外国人妻タイプの結婚から、出生数が増加することは期待できない。
未婚少子化が激しい日本において、国際結婚からの出生は、割合で見ると上昇傾向にあるものの、実数で見ると減少してきている。つまり、日本人同士のカップルからの出生数の減少速度との兼ね合いで、国際結婚の割合が微増した形である。とてもではないが、「日本人同士の出生減を国際結婚で補えばよい」などといえる状態にはない。
外国人妻カップルの出生数は激減
国際結婚というと、「貧しい国の女性が日本の地方男性のもとに来てくれる」というイメージが強いのは、日本の人口があまりにも高齢化している証左でもある。かつてバブル期にアジアから来日した女性を「ジャパゆきさん」と呼んだ時代を知る世代が抱く「ニッポンの国際結婚」の典型例である。
しかし、実態は「外国人妻カップルの出生数は激減」「外国人夫のカップルの出生数は安定」となっている。

筆者が想像していたよりも、親のどちらかが外国人である出生における「外国人夫の割合」は、そもそも低くはない。最も外国人妻からの出生割合が高かった1995年でも、外国人妻からの出生は66%にとどまっており、70%を超えたことがない。

