絵文字の多用や過度にカジュアルな言い回し、オンライン会議の場であっても普段着のまま謝罪を済ませてしまうことなど、無意識に選んでしまいがちな「見た目の軽さ」が、誠意そのものを疑われる引き金になりかねない。
「どれだけの手間・コストをかけたか」を無言のうちに伝える術
危機対応や謝罪の場面に臨む際、次の3点を確認してみるとよいだろう。
第1に、文章の場合、改行や絵文字の使い方が状況の深刻さに見合った落ち着きを保っているか。第2に、対面や動画であれば、服装が相手・場面に対する敬意を視覚的に示せているか。第3に、結びの言葉が、相手との関係性に見合ったものになっているか。
この3点はどれも、内容そのものとは別に、「どれだけの手間・コストをかけたか」を無言のうちに伝えるシグナルとして働く。
謝罪の場面では、何を話すかと同じくらい、それをどう包むかが問われている。内容だけでなく、様式にも相応のコストをかけていることが伝わるかどうかを、今一度確認しておきたい。
【参考・引用文献】
※1:大坪庸介 (2015) 「仲直りの進化社会心理学:価値ある関係仮説とコストのかかる謝罪」『社会心理学研究』30(3), 191-212.
※2:岩﨑智史 (2025) 「和文フォントの印象評価について」『東京未来大学研究紀要』19, 153-158.
※3:Adam, H. & A. D. Galinsky (2012) Enclothed cognition, Journal of Experimental Social Psychology, 48(4), 918-925.
※4:日髙慶美 (2017) 「日本語の謝罪表現『ごめんなさい』と『ごめん』について―ポライトネス理論からのアプローチ―」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』24, 39-55.

