この「誰でも受け入れる」空気は、福祉の現場にも広がっている。先に紹介した方南町の地ビール醸造所「方南ローカルグッドブリュワーズ」は、障害のある人たちのための就労継続支援B型事業所として運営されている。金ちゃんを紹介してくれた細田良平さんはここのサービス管理責任者だ。
「商店街の店主の皆さんも、普通に受け入れてくれます」
このブリュワーズは、もともと就労支援の作業所だったわけではない。
「先にビール醸造所があり、その醸造所の中で利用者の仕事をつくっていく、という計画が持ち上がり、我々もなにかお手伝いができるのでは、と話がまとまって、就労支援事業所として運営されることになったのです」(細田さん)
細田さんは「商店街の店主の皆さんも、障害福祉サービスの利用者だからといって特別扱いするのではなく、普通に受け入れてくれます」と語る。
商店街には他にも、誰でも立ち寄れる「駄可笑屋敷(杉並区方南2-12-27)」という居場所があり、複数の大学から集まった学生たちがサークルのような形で運営を続けている。もともとは商店街が駄菓子を売る場として運営していたが、常時管理する人手が足りなかったところに、地域活性化を掲げる大学生たちが結びついた形だ。細田さんは「祭りでは、商店街、住民、利用者、外から来た人が一緒に動きます」と話し、福祉施設の利用者もまた、その一員として溶け込んでいる。
少し歩き疲れたので、駅の近くにある「Cafe & Bar Bell (杉並区和泉4-50-12)」で、一息入れることにした。店主の古川大輔さんは生まれも育ちも方南町だ。
「73年に母親が喫茶店として開業して以来、その後はブティックに衣替えして、長くやっていたんですが、18年12月に再び喫茶店(夜はバー)へと業態を戻しました。昼間はコーヒーや軽食を出し、夜は酒を飲めるカフェ&バーという形です」(古川さん)

