それでも、なぜ謝罪までにこれほど時間がかかったのかという疑問は残る。人力舎と宮地が声明を発表した7月10日から、良ちゃんが謝罪した17日までには7日間もあった。
もちろん、芸能事務所がこのような問題に対応するには一定の時間が必要である。本人への聞き取り、関係者への事実確認、相手方の事務所との協議、今後の仕事への影響の検討、謝罪文の内容や表現の調整など、慎重に進めなければならない作業は多い。組織として確認を重ねたうえで対応すること自体は理解できる。
沈黙の間にタレントイメージが毀損
しかし、本件は世間の注目度が高く、良ちゃんのタレントとしてのイメージが時間の経過とともに悪化していくことが容易に予想できた。しかも、問題となった投稿が削除されず、渡部への批判も広がり続けていた。少なくとも「現在、事実関係を確認している」といった簡単な説明を早い段階で出すことはできなかったのかという疑問は残る。
今回の騒動が示したのは、タレントがSNSを使うことに伴う根本的なリスクである。SNSへの投稿は1人で、一瞬で、ほとんど何の手続きもなく行うことができる。何かで腹を立てた本人がスマホを操作すれば、その感情は数十秒後には世界に向けて発信される。
ところが、投稿に問題があった場合、その対応は簡単には済まない。所属事務所、相手の事務所、番組やイベントの制作会社、代理店、スポンサーなど、複数の関係者が事実を確認し、責任の所在を整理し、対応を協議する必要がある。1人のタレントが指先だけでスマホを操作することで起こした問題を、組織が何日もかけて処理しなければならなくなる。

