地価上昇に伴い、用地取得がますます難しくなっている首都圏のマンション業界。その中で、伊藤忠商事とJR東日本(東日本旅客鉄道)の両グループの事業統合が注目を集めている。その名も「JR東日本伊藤忠不動産開発」。伊藤忠商事100%子会社の伊藤忠都市開発が、JR東日本不動産を吸収合併し、10月に新会社が生まれる。
JR東日本グループは東急不動産と社宅跡地でのマンション共同開発を行っており、伊藤忠との接点はそう多くはなかった。が、2025年春ごろから急転直下、両社の提携が浮上。一気に新会社設立に向かい、新会社への出資比率はJR東日本が60%、伊藤忠商事が40%とすることで着地した。これまで両グループとも幅広く不動産事業を手がけてきたが、今回の合弁のカギはマンションだ。
JR東日本はターミナル駅を中心に駅直結の超好立地を生かし、「ルミネ」や「アトレ」といった「賃貸型」の商業不動産を展開してきた一方、マンションを建てて売り、その収益を原資に新たな開発に向かう「回転型」のビジネスは手薄だった。同社は社宅やその跡地など、都内の駅周辺や沿線に多くの土地を保有しており、首都圏だけで8万5000㎡の開発余地がある。資産効率の観点から、これら遊休不動産の活用が従前からの課題となっていた。
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