冒頭で紹介したナカタさんは、通院して服薬を続けると、不安になる日が少しずつ減ってきた。
「症状が軽くなってからは、新しいことにチャレンジできるようになりました。以前は不安が強くなることを恐れていましたが、今は『失敗してもまた次がある』と楽な気持ちでトライできます」
見知らぬ人に会うことも怖かったが今はそれも軽くなり、保護猫団体のボランティアとして、譲渡会で初対面の人に活動趣旨を説明できるまでになった。がん検診の結果や車の渋滞に関連した不安も、「そこまで考えることではなかった」と思えるという。
完璧を求めすぎないこと
今は、ネットでさまざまな情報が容易に探せる社会だ。全般不安症の人に限らず、玉石混淆の情報に影響されて、“不安を感じる脳”と“抑える脳”のバランスを崩すおそれがある。そうならないために、日常生活ではどうしたらいいか。
清水さんは「完璧を求めすぎないこと」と話す。「野球のピッチャーが、9回を完投しなくても、5回くらいまで投げて、あとは救援投手がやってくれる――。そんな考え方もあるのではないでしょうか」。
(取材・文/佐賀 健)

清水栄司医師


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