高校3年生の時、テスト中に考え事をしていて、うっかり生徒手帳にメモをしてしまい、それをカンニングだと勘違いされたやおとさん。生徒手帳には「帰り道にあれを買う、これを買う」といったことしか書かれておらず、カンニング疑惑はすぐに晴れた。だが、何もしないのは通例的に許されなかったのか、教師からは反省文を命じられることに。用意されたストーリーに沿って、原稿用紙何枚分も書くことになった。
当時の彼にとって、「地面が揺らぐ」ほどの衝撃的な体験だったが、社会で生きていくうえでは、こういった理不尽は必ず遭遇するものではある。確かに、スルースキルは重要だ。
大人たち、そして社会ができること
もっとも、ギフテッド児(を含む子どもたち)に対し、大人が向き合い方を正す必要もあるだろう。では大人たち、そして社会ができることはなんだろうか。
「結局、自己肯定感が一番重要だと思うんですよ。子どもの時に『きみはそれでいいんだよ』って言ってくれる人の存在が大きいと思います。親や教師がそうでなくても、自分を理解してくれる誰かが一人いれば……。あとは『大人が完璧じゃない』ってことを伝えてほしかったです」
素直さゆえに大人を信じ、大人のルールに適応しようとした経験からも語る。
「『自分が絶対に正しい』みたいな態度じゃなくて、『自分の意見はこうだから』『僕はこうだと思ってるけど違うこともあるよ』って言ってほしかった」
苦労を経験したやおとさんは現在、ギフテッドの子どもたちをサポートする取り組みを行っている。子どもにとっての「理解してくれる誰か」を目指して、日々活動中だ。

