壁を取り払った通路を抜けると、もう一方の住戸側に出る。
玄関はそれぞれの住戸にあり、メイン玄関とサブ玄関のように想定されている。浴室だった場所は、空間をそのまま残して倉庫として使えるようにしていた。
以前のキッチンの壁にあったタイルはそのまま残り、浴室やトイレの扉なども使われている。模様入りのガラスが埋め込まれた建具や和室の鴨居など、もとの住戸の名残りがところどころに見えた。
2戸を横につなげることで、LDKを大きく取りながら、もう一方の住戸側には別の用途を持たせることができる。浴室だった場所を倉庫にし、以前のタイルや建具を残した空間には、もとの住戸をたどるような楽しさもあった。
同じニコイチでも、つくり方は1つではない
公社のニコイチは、同じ間取りを量産したわけではない。住戸ごとにテーマがあり、もとの間取りの残し方や空間のつなげ方も異なる。
団地というと、似た住棟が立ち、同じような間取りの住戸が並んでいる印象が強い。ニコイチの場合、住戸によって間取りの残し方や空間の配置が異なり、住む人が暮らし方を工夫できる余地が大きい。


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