アマゾンの人々が持つ「あたり前」は、その土地で生き抜くために最適化された、独自の知恵の結晶。そこに西洋の「あたり前」を無理やり押しつけようとしても、それは生活の環境に合わない考えを持つことになってしまうだけだ。
日常生活で、自分の「あたり前」を疑う
「いきなりアマゾンの人々とは、なんだかスケールの大きな話だな」と思われるかもしれないが、実のところ私たちの生活とも密接した考え方でもある。それは、著者によるレヴィ=ストロースの考え方の“意訳”を確認してみればわかるだろう。
そう考えれば、職場における「あたり前問題」もまた同じだと実感できるのではないだろうか。
たとえば、「新入社員は一番早く出社するのが、あたり前だ」という発言は、発言者自身の「あたり前」を提示し、そうすることによって相手を評価している印象を与える。
よく聞く言葉でもあるが、人類学の考え方を身につけた人は、こうした発言には慎重になるのだという。「相手はその『あたり前』を持っていない可能性がある」からである。
この人類学のシンプルな考えを持つと、自分も相手も傷つかずに心地よいコミュニケーションが取れるようになります。(51ページより)
そうなれば互いの評価もよい方向に変わり、仕事の成果にもプラスの影響が生まれるに違いない。

