じっと座っていられるように
人の話は黙って聞いているように
周囲と足並みをそろえて行動するように
ADHDに関わる周囲の人間は、なんとか弱みを取り除いてあげよう、「普通」に近づけようと指導したり、叱咤する傾向があります。
ところが、これは逆効果。平均的なタイプになるように矯正しようとするほど、ADHDの弱み症状が表出している子は脳がさらに働かなくなるため、本人にとっても周囲にとっても意味のない行為になりかねません。それどころか、できないことばかり注目されるとADHD脳の強みは埋もれてしまい、自己肯定感は大きく下がります。弱みが強調されることで、しだいに生きにくさを強く感じてしまうのです。
これまでADHDについては、ネガティブなイメージだけが蔓延し、本来のADHD脳が持つ多くの強み、高い能力への理解がされていない実態がありました。
しかし、今や世界では、ユーモアがありクリエイティブ、そしてエネルギッシュなADHD脳は大人気。多くの場面で高い能力を発揮し、精力的に活躍すると期待されるADHD脳には魅力があるという認識に変わってきています。
医師よりも親の目が正しい
私が小児科医として、診察時に常に心にとどめているのは「親の目は正しい」ということです。
医師は医学的に判断した自分の見解に親が違和感を抱いたときには、親の違和感のほうが正しい事実と考え、自分の診断過程を見直す必要があると考えています。我が子のことを誰よりも考え、すべてを受け止める親の愛は、医師としての知識や経験を超え、子どもの本当の姿を捉える力があると多くの患者さんが教えてくれました。

