工藤さんの発症原因は、未だ不明だという。
「それでも、約3年間理由のわからない謎の激痛に苦しみ続けてきたので、診断がついたことには心からホッとしました」
現在も確立された根治療法がない
病名が判明したことで、工藤さんはようやく自分の痛みの正体を知ることができた。しかし、診断は決してゴールではなかった。
「スティッフパーソン症候群(SPS)」には、現在も確立された根治療法がない。そのため、症状を和らげながら日常生活の質(QOL)を維持することを目的とした対症療法が治療の中心となる。
工藤さんも現在、筋肉の異常な緊張や神経の興奮を抑える複数の薬を毎日服用している。その効果は確かにあった。
「診断前のように、死を意識するほどの激痛が続くことは少なくなりました。薬を飲み始めてからは、日々の生活が本当に楽になったと感じています。私は仕事が好きなので、普通に働ける今の生活が何よりありがたいですね」
もちろん、症状がなくなったわけではない。朝は薬が効くまで強い痛みに耐えなければならず、服用を続けていても歩くだけで足裏の筋肉が突っ張ることもあるという。
またスティッフパーソン症候群(SPS)の発症と前後して、工藤さんは特にアレルゲンに触れた覚えがないにもかかわらず、体のかゆみや皮膚の荒れなどのアレルギー症状の悪化も自覚するようになった。
主治医からは「SPSとアレルギー症状に関連性はない」と説明を受けており、医学的な関連は確認されていない。それでも、工藤さんがスティッフパーソン症候群(SPS)特有の筋肉の痙攣や痛みに加え、原因のわからない症状とも日常的に向き合いながら生活していることは事実だ。
「私の場合、対症療法だけでは症状を十分にコントロールできなくて。今後は次のステップとして、免疫療法(IVIg)も視野に入れています」

