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《慢性的な腰痛》が初期症状だった? やがて「死を意識するほどの激痛」に襲われるようになった男性…まさかの奇病の正体とは

11分で読める
レントゲン写真
(写真:工藤さん提供)
  • 杉井 亜希 フリーランスライター/イラストレーター
  • 舛森 悠 総合診療医
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薬によって痛みは軽減した。それでも、病気と付き合い続けなければならない現実は変わらないのだ。

朗らかな笑顔で取材に応じる工藤さんだが、病気によって失ったものは少なくない。もともとは、自転車やボルダリングなど、体を動かすことが趣味だったという。しかし現在は、そのほとんどを諦めざるを得なくなった。

「現在服用している薬の中には、『車の運転等を行ってはならない』と定められているものもあります。その影響で、自転車に乗ることはできなくなりました。

また、医師からは筋肉をほぐすために適度な運動を勧められています。でも、その"適度"が本当に難しい。少し無理をするだけで全身が激しく痛み、逆に動かなければ筋肉はどんどん硬くなる。今でも、その加減を探りながら生活しています」

以前は当たり前だった、思い切り体を動かした後の心地よい疲労感や達成感。その喜びは、今では遠いものになってしまった。

現在は職場の同僚たちと外食を楽しめるまで症状が落ち着いているという(写真:工藤さん提供)

指定難病に含まれていない

工藤さんは、スティッフパーソン症候群(SPS)が指定難病に含まれていない現状に課題を感じている。認知度が低いため診断が遅れやすく、患者は長期間、原因不明の苦しみを抱えることになる。指定難病になれば、医療者間の認知向上や医療費負担の軽減につながる可能性があるかもしれない。

「私は診断がつくまでの期間が一番つらかった。何度『精神的なものではないか』と言われても、諦めずに受診を続けたことで病名にたどり着けました。だからどうか、現在進行形で原因不明の症状で苦しんでいる方も、諦めないでほしいです。患者自身が粘り強く行動し続けることで、変わる未来もあると思っています」

診断まで約3年。工藤さんの歩みは、希少疾患の診断の難しさと、患者の声に耳を傾けることの重要性を静かに物語っている。

現在も世界的に稀な希少疾患と闘う工藤さん(写真:工藤さん提供)
監修医師のコメント
実は工藤さんは、私の旧い友人です。久しぶりに再会して病気のことを聞いたとき、激痛の日々を一人で抱え、それでも諦めずに診断までたどり着いた彼の強さに、正直胸を打たれました。この場を借りて、つらい体験を語ってくれた勇気に心からの敬意を伝えたいと思います。
検査で「異常なし」と言われると、多くの方が「気のせい」と片づけられてしまいます。でも、検査はすべての病気を映せるわけではありません。数値が正常でも、あなたが感じている痛みやつらさは、まぎれもない事実です。
どうか、ご自身の感覚を信じてください。今の説明に納得できなければ、別の医師の意見を求めることをためらわないでほしい。工藤さんがそうだったように、諦めずに声をあげ続けることで、道が開けることもあります。

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