有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ

《慢性的な腰痛》が初期症状だった? やがて「死を意識するほどの激痛」に襲われるようになった男性…まさかの奇病の正体とは

11分で読める
レントゲン写真
(写真:工藤さん提供)
  • 杉井 亜希 フリーランスライター/イラストレーター
  • 舛森 悠 総合診療医
2/6 PAGES

あまりにも長引く筋肉の痛みに不安を覚えた工藤さんは、2024年に整形外科を受診する。

そこでついた診断名は、指定難病「後縦靱帯骨化症(OPLL)」だった。

後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)
背骨の骨と骨をつなぐ「後縦靱帯」が骨化し、脊髄を圧迫する指定難病。骨化した靱帯が脊髄や神経を圧迫することで、手足のしびれや運動障害などの症状が生じる。症状が軽いうちは経過観察や薬物療法が行われるが、重症化した場合は手術が必要になる。

握力低下などの症状が出始めていることから、医師からは「手術を受けたほうが望ましい」と説明を受けた。

「指定難病と聞いた時は驚きました。でも、それ以上に『ようやく原因が見つかった』という安心感のほうが大きかったです。これでこの痛みも終わるんだと思いました」

そして、脊髄への圧迫を取り除く手術は無事に終了した。術後は手に力が入りやすくなるなど、一部の症状には改善がみられた。

指定難病の手術を受けても、全身の激痛は治まらなかった(写真:工藤さん提供)
術後の傷跡(写真:工藤さん提供)

しかし一方で、術後には首の骨が擦れるような痛みが新たに生じるようになり、工藤さんが何より苦しんでいた筋肉の激痛も一向に消えなかった。むしろ時間が経つにつれて、全身の筋肉はさらに強く硬直し、痛みが日に日に増していったのだ。

「手術が終われば楽になれると思っていたので、『なぜ痛みだけ残るんだろう』という気持ちでした。何か別の病気があるんじゃないかと思うようになり、再び整形外科を受診したんです」

すると今度は、医師からALS(筋萎縮性側索硬化症)の可能性も疑われ、筋電図検査など複数の検査を受けた。しかしいずれもALSを示す所見はなく、可能性は低いと判断された。

「その痛み、精神的なものなんじゃない?」

全身の筋肉は確かに悲鳴を上げている。それなのに、検査結果だけを見ると「健康」に近い。その大きなギャップに、医師たちも次第に判断を迷うようになっていく。最終的に工藤さんに投げかけられた言葉は、こうだった。

「その痛み、精神的なものなんじゃない?」

3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数