あまりにも長引く筋肉の痛みに不安を覚えた工藤さんは、2024年に整形外科を受診する。
そこでついた診断名は、指定難病「後縦靱帯骨化症(OPLL)」だった。
握力低下などの症状が出始めていることから、医師からは「手術を受けたほうが望ましい」と説明を受けた。
「指定難病と聞いた時は驚きました。でも、それ以上に『ようやく原因が見つかった』という安心感のほうが大きかったです。これでこの痛みも終わるんだと思いました」
そして、脊髄への圧迫を取り除く手術は無事に終了した。術後は手に力が入りやすくなるなど、一部の症状には改善がみられた。
しかし一方で、術後には首の骨が擦れるような痛みが新たに生じるようになり、工藤さんが何より苦しんでいた筋肉の激痛も一向に消えなかった。むしろ時間が経つにつれて、全身の筋肉はさらに強く硬直し、痛みが日に日に増していったのだ。
「手術が終われば楽になれると思っていたので、『なぜ痛みだけ残るんだろう』という気持ちでした。何か別の病気があるんじゃないかと思うようになり、再び整形外科を受診したんです」
すると今度は、医師からALS(筋萎縮性側索硬化症)の可能性も疑われ、筋電図検査など複数の検査を受けた。しかしいずれもALSを示す所見はなく、可能性は低いと判断された。
「その痛み、精神的なものなんじゃない?」
全身の筋肉は確かに悲鳴を上げている。それなのに、検査結果だけを見ると「健康」に近い。その大きなギャップに、医師たちも次第に判断を迷うようになっていく。最終的に工藤さんに投げかけられた言葉は、こうだった。
「その痛み、精神的なものなんじゃない?」

