1階分でも、2階分でもかまいませんので、上って、下りる。それだけで体の状態は変わり、心も落ち着いてきます。
階段を使うと、太ももやお尻、ふくらはぎなど、下半身の大きな筋肉が動きます。脚の筋肉が働けば、血流がよくなり、全身に酸素や栄養が巡りやすくなります。特に、ふくらはぎは下半身の血液を上へ押し上げるポンプのような役割を持つので、座りっぱなしで滞っていた血流を動かすには、階段の上り下りはとても効率のよい方法です。
頑張って何往復もする必要はありません。汗をかくほど追い込む必要はなく、むしろ、少し物足りないくらいで十分です。大切なのは、落ち込んだ理由をすぐに解決しようとしないことです。
人間関係の悩み、仕事の失敗、将来への不安。そうした問題を、気分が沈んでいる状態のまま考えても、よい答えは出にくいものです。まず、階段を上り下りして、体の状態を変える。体に少し熱が戻り、血流が動き、呼吸が変わったあとで考えたほうが、同じ問題でも少し違って見えることがあります。
また、人間の体は、長時間イスに座ったままでいるようにはできていません。座りっぱなしの時間が続くと、下半身の筋肉がほとんど使われず、血流が滞りやすくなります。背中も丸まり、胸が縮こまり、呼吸も浅くなります。すると、体が重くなるだけでなく、気分も沈みやすくなります。
座り心地のよい高価なイスを使っていても、長時間座り続ければ、体には負担がかかります。イスが悪いのではなく、問題は同じ姿勢で固まり続けることです。ですので、デスクワークの人でも、こまめに立つことを習慣にしてください。
30分に1度でも、1時間に1度でもかまいません。立ち上がる。少し歩く。階段を1階分だけ上り下りする。それだけで、心と体の滞りを、リセットすることができます。
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物が見つからない――。それだけで、体は思っている以上に緊張状態に陥ります。
カバンの中を探りながら、「どこだ、どこだ」と何度も手を動かす。ポケットを確認し、書類の下をのぞき、心当たりの場所を探す。ほんの数十秒のことでも、その時点で自律神経のバランスは乱れ始めます。結果的に見つかったとしても、「ないかもしれない」と感じて探し始めた時点で交感神経の働きが急激に高まってしまうのです。

