このシャオミが2026年7月に新しいブランドのEV「SkyNomad(小米澎程)」を発表した。SkyNomadは、既存のSU/YUシリーズとは異なり、「可変空間」と「アウトドア・家族向けライフスタイル」を前面に出したモデルだ。第一弾となる「N90 Max」は全長5.2m級の車体に、シーンに応じて室内レイアウトを変えられるスマート可変空間を備えている。SkyNomadは「移動しながら暮らす」「車内を仕事場やカフェに変える」といった、新しい生活様式を提案するラインのEVなのだ。
ここで重要なのは、シャオミが車を単体のハードとしてではなく、自社スマートフォンの採用するOS「MIUI」を通し、クラウドサービスや家電をつなぐ「生活インフラの一部」として位置づけている点だ。Android OSをベースとするMIUIは同社の炊飯器や洗濯機、スマートTVなどに採用され、日本でも2026年後半には冷蔵庫や洗濯機など、大型の白物家電への投入が予定されている。シャオミの車は「家の中のスマート家電」と「外の移動空間」をシームレスにつなぐ役割を果たすのである。
先行する「成功者・ファーウェイ」のビジネスモデル
スマートフォンメーカーのEV参入は、シャオミが初めてのケースではない。日本ではスマートウォッチなどを展開するファーウェイは、2021年に中国の自動車メーカー、SERES(賽力斯)との協業ブランドEV「問界(AITO)」を発表し、中国EV市場に参入した。そして、スマートSUVの販売を本格化させた。 当初は「スマホ・通信機器企業が車で成功するのか」という懐疑的な見方もあったが、現実には提携メーカーを増やし、EV連合として存在感を強めている。
このファーウェイのEV連合がHIMA(Harmony Intelligent Mobility Alliance、鴻蒙智行)だ。HIMAは、ファーウェイが自社スマートフォン向けに育ててきた独自OS「HarmonyOS」を車載向けに展開し、自動運転プラットフォームや電動パワートレイン、クラウド・データ基盤などと組み合わせて自動車メーカーに提供している。各メーカーはその一式を土台に自社ブランドのEVを企画・設計し、車両をラインナップとして市場に送り出す。さらにHIMAはファーウェイストアを活用したEVの販売やアフターサービスも担い、車両のハードウェアは自動車メーカーが、OSやサービスレイヤーはファーウェイが担当する役割分担になっている。

