現代経済学を原理主義と揶揄するつもりはないが、その原理の核となっているのは、価格、市場、競争である。市場とは、価格競争をする場であるから、根本信念は、「競争」である。競争こそが経済を発展させる、という信念である。
しかし、これは幻想である。
競争は悪だ、と私は主張するが、厳密に言えば、「競争」自体には価値はない、ということである。ある状況においては、「競争」は良い効果をもたらすし、そうでないときには、悪い影響、結果を生じさせる、ということである。
良い競争と悪い競争があるのである。
というと、安っぽすぎるので、現在の大前提が競争こそ善、理想と思われているので、そうではない、競争は多くの場合、悪である、と考えた方がよいのである。
実際、競争はほとんどの場合、悪い。
子供には、喧嘩してはいけません、と普通は言う。国際社会でも、戦争は悪であり、戦争とは、領土あるいは覇権を争うもの、まさに競争である。
では、なぜ、近代経済学では競争は善なのだろうか。
価格引き下げ競争はいいことだ
それは、財は必需品であり、財とは何かが誰の目にも明白で、競争する変数が、価格しかないからである。
消費者は、財がどういうものかわかっている。質も見える。となると、複数の供給者の間の違いは、価格だけである。だから、価格の安い方を選ぶ。
複数の供給者は、利益を出すためには、そもそも売らなくてはならないから、赤字にならない価格まで下げる。ほかの供給者も同じことをする。こうなると、生産コストが安い方が価格を下げられるから勝つ。
こうして、もっとも効率的な生産者が供給をし、消費者は一番安い価格で買うことができ、経済全体も効率的になる、ということである。
ここで限界概念と規模の経済が出てくる。
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