だが、ジープは、ライセンス契約により輸出できない。ライバルメーカーたちが海外市場でシェアを伸ばすなか、三菱は傍観するしかなかった。また、国内市場でも、当時、アウトドアなどのレジャーユースで4WD車のニーズが高まり、三菱は独自の4WD車をリリースする必要性に迫られた。そんな背景のなか、満を持して登場したのが初代パジェロだったのだ。
車名の由来は、チリ・アルゼンチン地方南部のパタゴニア地方に生息する野生の猫「パジェロキャット」。「野性味と美しさ」を調和させる願いを込めて名付けたという。
ちなみに、当時の日本ではまだSUVという言葉は一般的ではなかった。当時、パジェロのようなモデルは、オフロードを走破することが主目的の4WD車だったこともあって、クロスカントリー4WDという名称が一般的だった。
ライバル車には、トヨタ「ランドクルーザー60/70」や日産「サファリ」、まだ乗用車の生産をしていた時代のいすゞが販売した「ビッグホーン」などがあった。なかでも、パジェロは、乗用車的な乗り味を重視。ライバル車たちと同等の高い悪路走破性に加え、日常使いや長距離ドライブにも対応する快適性も併せ持つことで、今のSUVの元祖となったモデルだといえる。
初代パジェロの特徴
82年5月、初代パジェロは、メタルトップ(金属製ルーフ)とキャンバストップ(一部が布製のルーフ)という2種類のボディタイプで登場した。小型ピックアップ「フォルテ」のラダーフレームをベースとする堅牢な車体は、オフロードでの高い走破性に貢献。それでいて、普段使いにも適した乗り心地の良さを備えていたことがトピックだった。

