宇宙飛行士の山崎直子さんは、子どものころ家族と一緒に星空を眺めながら「今私たちが見ているあの星の光は、何年もあるいは何億年も昔にその星を出発して、今ようやく地球に届いた光なんだ」という事実を知り、雷に打たれたような衝撃を受けたといいます。
「夜空を見上げることは、タイムマシンで過去を見ているのと同じなんだ! 宇宙ってなんてすごい不思議に満ちているんだろう!」と感じて強烈な感動を覚えたそうです。そうした体験が宇宙への強い憧れのもとになったとのことです。
自然は予測不能で強烈なインパクト
ごく身近にあるものでも、本物の自然には予測不能で強烈なインパクトがあります。
例えば蝉を手で持ってみると、ものすごく激しい力で羽ばたきして暴れます。その必死さは怖いくらいで、生きる力の暴力的なまでのエネルギーに圧倒されます。
カブトムシを木から引き離そうとすると、まるで接着剤で固められたように木にしがみつきなかなか離すことができません。下手に手でつかもうとすれば、6本の足の先にある鋭い鉤爪(かぎづめ)が、こちらの指や手のひらに痛いほど深く食い込んできます。生き物が自らの命を守ろうとする断固たる意思を感じさせます。
動物園のふれあいコーナーでモルモットを抱きかかえてみると、その温かさに驚かされます。人間よりもはるかに高い40度近い体温のせいです。また手のひらにドクドクと伝わるはやくて激しい心臓の拍動もインパクトがあります。まさに「命の鼓動」という言葉がぴったりで、猛烈な勢いで命を燃やしているという事実が直接伝わってきます。
草むらで跳ねているトノサマバッタも、人間が捕まえた瞬間からサバイバルのための激しい戦いを始めます。手のひらの中でノコギリのようなトゲが生えた後脚を縮め強い力で蹴り上げてきます。そのトゲが皮膚に刺さるチクチクとした痛みに驚いていると、今度は口から「黒茶色のにおいのある消化液(口から出す汁)」を吐き出して抵抗してきます。きれいな緑色の体からは想像できない、泥臭く生々しい防衛本能です。
生きた魚を手でつかんでみると、そのぬるぬるした皮にびっくりします。全身をしならせてバチバチ跳ね返り、なんとか人間の手から逃げだそうとします。その激しさと力の強さは衝撃的で、水中で泳ぎ回ることで鍛えられた筋肉の強さを感じさせます。水族館や生け簀(す)で優雅に泳ぐ姿やスーパーで切り身になった姿とはまったく別の、生きた魚のリアルな姿です。

