現地に立って私が何よりも目を見張ったのは、日本国内のクラシックカーイベントと比較して、会場全体に若い世代の姿が非常に多かったことだ。クラシックカーという文化が、幅広い層に興味を持たれ、未来へと確実に受け継がれている事実は、実に素晴らしい。
イタリアでの開催ゆえ、フェラーリをはじめとするイタリア車が主役となるのは当然だが、今年特に私の目を引いたのは、ドイツ車、そして確固たるクラシックとしての存在感を放ち始めた日本車の台頭であった。
まず、今年のコモ湖で目立っていた、ドイツ車の躍進について触れねばなるまい。ヴィラ・デステは長きにわたりBMWが主催・スポンサーを務めており、今年は新たに同社ブランドの一部となったアルピナ(ALPINA)のコンセプトモデルを発表するという大役を担っていた。
そのため会場には多くのBMW関係者が集い、年々ブランドとしての存在感や価値を高めている。こうした商業的あるいはブランド的な支配力に対しては批判的な意見も出がちだが、私はこれを決して非難すべきことではなく、自動車文化を支え発展させるうえでの当然の対価であり、素晴らしい手腕であると評価している。
人気急上昇の「フォーリ・コンコルソ」
そしてもう1つ、この伝統あるヴィラ・デステに対抗するように人気を急上昇させているのが、同じコモ湖畔の、言ってみれば徒歩圏内にあるヴィラ・オルモ(Villa Olmo)等を舞台にした「フォーリ・コンコルソ(Fuori Concorso)」だ。
同じ週末に開催されるこの新興クラシックカーイベント、今年のフューチャーは、タイトルが示すとおり「Kraftmeister(クラフトマイスター)」、すなわちドイツ車のエンジニアリングの卓越性であった。
アウディ、ポルシェ、ケーニグセグ、ブラバスといった名だたるブランドが並ぶ中、特に140周年を迎えたメルセデス・ベンツが主役を張り、1886年の「ベンツ・パテント・モーターヴァーゲン」から現代のF1直系ハイパーカーであるメルセデスAMG「ONE」までが並ぶ姿は圧巻であった。

