子どもが本当に伝えたかったのは、「嫌い」ではなく、「わかってほしい」「まだ終わりたくない」「気持ちが追いつかない」だった可能性があるからです。
“正しい返事”よりも、“脳に届く返事”が必要
親は、子どもの言葉に対して、つい正しい返事をしようとします。
「嫌い」と言われたら、「嫌いなんて言ってはいけない」
「学校に行きたくない」と言われたら、「学校には行かないといけない」
「どうせ僕なんか皆に嫌われている」と言われたら、「気のせいだよ」
どれも、間違った返事ではありません。むしろ、親としては当然の言葉です。
しかし、子どもの言葉自体に子どもの本心がうまく表されていないとき、親が正しいことを伝えても、会話がそもそも噛み合っていないのです。
つまり、会話のキャッチボールをするという「形式」のレベルでは会話は成り立っていますが、意思疎通をするという「意味」のレベルでは、会話が成り立っていないのです。
そうすると、親が正しいことを伝えれば伝えるほど、子どもはこんなふうに感じることがあります。
「わかってもらえなかった」「また説得された」「本当の気持ちは聞いてもらえなかった」
親は励ましているつもりでも、子どもには否定されたように届くことがあるのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
ポイントは、子どもの言葉を“翻訳”することです。
「学校に行きたくない」これは、「学校がつらい」「何かが不安」「教室に入るのが怖い」「朝から動くエネルギーがない」という意味かもしれません。
その場合、最初に返す言葉は、
「学校には行かないと困るよ」ではなく、
「行きたくないくらい、しんどいんだね」です。
「お母さんなんて、どっか行けばいいのに」これは、「他の人は無理でも、お母さんにだけは理解してほしかった」「本当は聞いてほしいことがある」「どうしたらいいかわからない」「お母さん、助けて……」という意味かもしれません。
その場合、最初に返す言葉は、
「そんなこと言うなら、本当に出ていっちゃうからね!」ではなく、
「つらいことがあったんだね。まずは何があったのか聞かせて」です。

