その言葉の奥には、「もっとわかってほしかった」「今は気持ちを整理できない」「どうしたらいいかわからない」「助けてほしいけれど、うまく言えない」そんな本音が隠れていることがあります。
つまり、子どもの荒れた言葉は、本心そのものではなく、本心がうまく言葉にならないときに、“つい口から出た言葉”であることがあります。
子どもの言葉を字面通りに受け取ると、会話はこじれる
たとえば、子どもがゲームをやめられず、親が声をかけた場面を考えてみましょう。
「そろそろやめようね」
そう言った瞬間、子どもが怒って、「うるさい! ママなんか嫌い!」と言ったとします。
このとき、親がその言葉を字面通りに受け取ると、会話はこうなります。
「嫌いなんて言わないの」「だって嫌いだもん!」「そんな言い方するなら、もうゲーム禁止にするよ」 「うるさい! あっち行って!」
親は、子どもの言葉を正そうとしています。しかし、子どもの脳には「自分の気持ちをわかってもらえなかった」「ママは、また自分ばっかり怒ってくる」という感覚だけが残りやすくなります。
ここで大切なのは、「嫌い」という言葉に反応しないことです。
もちろん、人を傷つける言葉をそのまま認めるという意味ではありません。乱暴な言葉が気になるなら、あとで落ち着いたときに伝える必要があります。
けれど、感情が高ぶっているその瞬間に、言葉尻を正そうとしても、子どもの脳はそれを受け取れる状態ではありません。
まず見るべきなのは、「嫌い」という言葉ではなく、その奥にある気持ち、つまり「本音・本心」です。
「もっとやりたかったんだね」「急に止められる感じがして、嫌だったんだね」「今、まだ気持ちが切り替わっていないんだね」
こう返したとき、字義通りに見てしまうと、少し噛み合っていないように見えるかもしれません。
子どもは「ママなんか嫌い」と言っているのに、親は「もっとゲームやりたかったんだね」と返しているからです。
ところが、脳のレベルでは、この会話の方が噛み合っています。

