(前編の続きです)
これまで「1皿100円」が代名詞のようになっていた回転寿司チェーンだが、数年前の迷惑動画騒動もあってか、近年は回転レーンを廃止する店が大半となった。また、原材料費の高騰もあって、1皿100円はもはや遠い昔のようになりつつある。
そんな中で異彩を放っているのが「すし銚子丸」だ。客単価は非公表ながら、一般的な回転寿司系が1000円前後なのに対して2500~3000円ほどと目されている。
同チェーンは、スシローやくら寿司といった格安系の回転寿司と異なり1皿400~500円のメニューが大半と決して安くない。物価高もあって消費者の財布のひもが固くなる中でさぞかし厳しい状況なのでは――と思いきや、近年もしっかりと売り上げを伸ばしている。
その背景にあるのは店舗を「劇場」として捉え、さまざまなエンタメ要素を交えた食体験を提供することで「高い」と思わせない設計だ。
各店舗に「座長」がいる、異色の寿司チェーン
今でこそ、職人が握る本格派チェーンというイメージもある銚子丸だが、もともとは玩具店として始まった。経営自体は好調だったものの、季節による繁閑差が大きいことから新たな事業を模索する中で目を付けたのが、寿司だった。
1979年に千葉県八街市で持ち帰り寿司専門店「花すし」をオープンすると、寿司桶が飛ぶように売れたことから、1987年にブームの兆しを見せていた回転寿司業態へと進出。浦安に「回転寿司ABC」をオープンするとタクシー運転手などを中心に支持を集めた。当時の回転寿司は冷凍食材が中心で、客単価は1000円前後で推移していたという。

