発達特性のある子どもたちは、この「できた」「見てもらえた」という経験が、特に必要な子どもたちなのです。
「見て見て!」は、成長のサイン
人は誰でも、「自分を見てほしい」「認めてほしい」という気持ちを持っています。
これを承認欲求と呼びます。
そして面白いことに、この承認欲求が満たされてくると、子どもは少しずつ変わっていきます。
最初は、
「見て見て!」
「できたよ!」
「僕、やったよ!」
というアピールかもしれません。
でも、それを受け止め続けていると、やがて、
「お母さん、ほら見て。僕、食器をキッチンに持っていってるよ」
「私なんて、もうお風呂に入っちゃったもんね!」
と、子どものほうから、役に立つ行動を見せに来るようになることがあります。
そこで、すかさず言葉にします。
「食器を片づけてくれてありがとう!」
「えっ、もうお風呂に入ったの? お姉さんだねえ!」
すると本人は、まんざらでもない顔をします。
そして、またやってくれるようになる。
子どもの社会性は、こういう小さなやりとりの中で育っていきます。
ここで大事なのは、「肯定する」と「おだてる」は、まったく別物だということです。
肯定は、事実を認めること。
おだては、何かをやらせたい下心から出る言葉。
子どもは、この違いを驚くほど正確に見抜きます。
「うちの子、肯定したら怒るんです」
という相談もよくあります。
その場合、肯定され慣れていなくて、どう反応していいかわからないことがあります。
あるいは、親の「これを言えば動いてくれるはず」という下心を感じ取って、プレッシャーになっていることもあります。
だからこそ、シンプルでいいのです。
あれをさせよう。
これをさせよう。
褒めて動かそう。
そう考えなくて大丈夫です。
ただ、今できている事実を見る。
そして、短く言葉にする。
たとえば、歯磨きを習慣にさせたいなら、
「今日も歯磨きできたね」
「歯ブラシ、元の場所に戻ってるね」
そんな当たり前のことでいいのです。
最初は、声をかけられたからやる。
次に、「できた」と気づく。
そのうち、「これは自分でできることなんだ」と脳に残っていく。

