たとえば、
「ここまで、自分でできたんだね」
「なるほど、そう思ったんだね」
「それ、もう取りかかってるじゃん」
これだけでいいのです。
叱るより先に、「できている事実」を見る
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、毎日の中で叱られる経験が多くなりがちです。
声をかけても聞いていないように見える。
他の子が自然にできることを、うちの子だけが苦手にしている。
朝の支度、宿題、ゲーム、登校、かんしゃく。
何度言っても同じことでつまずく。
親としては、つい注意したくなります。
「早くして」
「何回言ったらわかるの?」
「またやってないの?」
「ちゃんとして」
もちろんそれは、子どもが将来困らないようにという願いから出てくる言葉です。
けれど、子どもの脳を育てる声かけの基本は、「注意から入る」ことではありません。
「肯定から入る」ことです。
一見、失敗に見える行動の中にも、できている部分があります。
宿題を全部やっていなくても、ノートを出していた。
着替えが終わっていなくても、パジャマを脱ごうとしていた。
ゲームをやめられていなくても、こちらの声に一瞬反応した。
かんしゃくを起こしていても、少し離れた場所で自分を落ち着かせようとしていた。
そこを見つけて、まず言葉にする。
この「肯定のシャワー」が、子どもの脳に自信を育て始めます。
自信がなければ、人は行動をためらいます。
「どうせまた怒られる」
「どうせできない」
「どうせ自分はダメだ」
そう感じている子どもは、行動する前から脳が止まりやすくなります。
行動量が減れば、脳を使う機会も減ります。
すると、発達のチャンスも減ってしまう。
だからこそ、逆のサイクルをつくるのです。
「できた」
「見てもらえた」
「もう一回やってみよう」
そう感じられると、子どもは少しずつ動き出します。
行動量が増える。
脳を使う回数が増える。
成功体験が増える。
さらに自信が育つ。
このサイクルが回り始めると、子どもの変化は目に見えて出てきます。
これは、発達障害・グレーゾーンの子どもだけに限った話ではありません。
人は誰でも、叱られれば自信を失います。
肯定され、できた経験を重ねれば、次の行動に向かいやすくなります。

