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イラン停戦合意が映し出すアメリカ覇権の限界、"平和の使者"を自称してきたトランプ外交の現実と世界秩序の危うい行方

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2026年6月「グレート・アメリカン・ステート・フェア」の開幕式に出席したトランプ氏(写真:2026 Bloomberg Finance LP)

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 2026年6月14日、イランとアメリカの停戦合意のニュースが突然飛び込んできた。停戦に向けた覚書(Memorandum of Understanding)を交わすということであった。ところがこれが紛糾し、世界を不安にしている。

トランプ大統領は当初「平和の使者」という触れ込みで登場した。2025年1月の就任早々、ウクライナ戦争の停戦を実現すると約束した。同年8月15日アラスカでのプーチンとの会談まではよかったが、いつの間にか話は立ち消えになった。

平和の使者・トランプの「マッチポンプ」

今回の覚書も、2026年4月から何度も繰り返されたあげく出てきたものだ。6月14日の覚書が発表された日は彼の誕生日であり、誰もが誕生日のサプライズにすぎないと思ったはずだ。

停戦にこぎ着けたといえるのは、タイとカンボジアの衝突くらいのものである。しかし、これはトランプ大統領だけの仲裁によるものではない。

「マッチポンプ」という言葉がある。自分で火をつけ、自分で消すことである。自作自演という。イランに関してはまさにこれである。火をつけたのが彼だからだ。

アメリカとイスラエルのイランへの攻撃理由は3つあった。1つは独裁体制に対するレジーム・チェンジ、第2は原子爆弾の開発阻止、第3は、大陸間弾道弾(ICBM)の製造阻止であった。

もちろんいかなる理由があろうとも、突然の攻撃は、国連憲章違反であることは間違いない。初めから無理な戦争であった。

攻撃の後はイランの反攻が始まり、湾岸地域のアメリカ軍基地が大きな痛手を受け、イスラエルへの攻撃によりテルアビブの防空システム「アイアン・ドーム」が崩壊し、イランのホルムズ海峡封鎖によってタンカーの通過が阻止されたことで、世界の原油輸入市場は大きな打撃を受けた。

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