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イラン停戦合意が映し出すアメリカ覇権の限界、"平和の使者"を自称してきたトランプ外交の現実と世界秩序の危うい行方

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2026年6月「グレート・アメリカン・ステート・フェア」の開幕式に出席したトランプ氏(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
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戦争の実践においても狡猾であったといえる。自衛隊元陸将補の矢野義昭氏の分析が的確かもしれない(YouTube【メディアが隠す真実】イスラエル全土が焦土化!? イラン極超音速ミサイルで米軍も敗北…崩壊するアメリカ覇権(矢野義昭×大高未貴)」)。

イランは計画的に冷静に反撃を開始したという。ミサイル攻撃ではイスラエルやアメリカのインフラに絞り、まず港湾施設、次にレーダー、飛行場、都市を結ぶ鉄道や道路を狙い、イスラエルのインフラを破壊したというのだ。ミサイル生産能力において秀でているイランは、ミサイル基地を分散し、地下に工場を移すことで相手の攻撃を避け、相手の弱点を突いた。湾岸諸国にある16のアメリカ軍基地を破壊したことで、アメリカの軍事作戦をも無効化したと説明する。

海洋においても、アメリカはホルムズ海峡を逆閉鎖したといっているのだが、それはホルムズ海峡ではなく、そこから数百キロメートル離れたところに海軍の船舶をおいただけだった。海峡に近寄ることすらできなかったのは、イランのミサイル攻撃の危険を理解していたからであったというのだ。

G7メンバーのよそよそしさ

結局、今回の戦争の要因には、アメリカの軍事的衰退と、威信の低下があったといえる。

停戦合意が報告された直後、フランス・エヴィアンで開催された先進国首脳会議(G7)に、トランプは出席した。トランプはG7の場でも主役ではなかったのだ。本来の主役は、出席していない中国であった。G7最大の問題は、中国との経済問題であり、それは中国との貿易不均衡をどう解決するかという問題であった。

アメリカは今回の停戦合意によってG7の主役になることを期待していたのだが、他の首脳たちのトランプに対するよそよそしさが目立っていた。EUはアメリカに対してウクライナ戦争やNATO(北大西洋条約機構)、関税問題で対立しているためである。

ロシア・テレビ(RT)に興味ある記事が載っている。筆者のアラン・ムーアはリトアニアのヴィリヌスに住むアイルランド人スポーツ評論家で、元ボクサーである。もともと大学で古代を研究していたというのだが、ローマとアメリカとを比較している。

話はホワイトハウスが主催した、トランプの誕生日記念アメリカ独立250年行事のボクシングマッチから始まる。

「UFCフリーダム250は、独立宣言公布以後250年を記念する最も不適当なイベントである。その理由は、それがアメリカ帝国自壊へのステップだからである」(Alain Moore, Make Roma fall again, RT)。

いかにしてローマが衰退していったのかが述べられている。このスポーツ祭典は、ローマ政府が民衆を無知と享楽の中に陥れるために行った「パンとサーカス」と似ている。ローマはこうして崩壊したのだ。

「ここにローマがいかに崩壊したかの要約がある。アメリカと比較できるだろう。ドルの価値は低下し、負債は増え続けていて、市民不満は募り、国境警備は手薄となり、橋は崩落し、鉄道は絶望的状態ではないか」(前掲、RT)
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