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イラン停戦合意が映し出すアメリカ覇権の限界、"平和の使者"を自称してきたトランプ外交の現実と世界秩序の危うい行方

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2026年6月「グレート・アメリカン・ステート・フェア」の開幕式に出席したトランプ氏(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
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アメリカが今回のイラン戦争で敗北した理由は、アメリカの衰退に原因があったといえる。アメリカ国内にはホームレスがあふれ、工業生産は外国依存、金利生活化した経済、時代遅れの大艦巨砲主義、勃興する国への無知、ローマを崩壊させた原因が現在のアメリカには数多く存在する。

今回の停戦も、アメリカだけでは合意に至らなかったことは明らかだ。14項目の筆頭にあるレバノン領土からの撤退をアメリカはイスラエルに説得できていないのである。案の上、スイスで開催された合意文書調印式で対立が起こった原因は、イスラエルによるレバノンへの攻撃継続にあった。

ウクライナ戦争についてもトランプ政権は何も言えない状況である。この戦争も、同じような深みにはまっている。すでに戦争はロシアとウクライナとの2国間ではなく、ヨーロッパ支援のウクライナとロシアとの戦争へと拡大し、停戦の見通しが立たない状況だからである。

2022年に始まった戦争はロシアがドンバスの東部地域を占領し、日々西方への拡大が進行しているという状況だ。ウクライナがNATOからの援助で戦争を継続していることが、この戦争の停戦合意の可能性を阻止している状況ともいえる。

プーチンの覚悟

今やプーチンはいかなる停戦も受け入れないと腹を決めているようだ。プーチンは今後について、ロシア国民に次のように述べたという。ロシア出身のアメリカの歴史家ブロフキン博士からの情報だ(Putin’s Message to the Russian, History and Politics with Dr. Brovkin, YouTube)。

それは、プーチンはこの戦争を2030年まで継続するというのだ。これはプーチンの停戦はないということだ。その理由は、ロシアは新ロシアを形成し、その中にウクライナの主要都市、ザポリージャ、ハルキウ、へルソン、オデーサを含むというのである。

こういう考えでは、トランプの停戦提案にもプーチンは耳を傾けないだろう。ウクライナを支援する国であるイギリスではスターマー首相が辞任を決定し、フランスのマクロン大統領は2期目の大統領職の残りを全うするのがやっとだ。ドイツのメルツ首相も国内での支持を失っている状態で、まとまりに欠けている。

一方、イタリアやポーランドをはじめとした東欧諸国も、戦線拡大を恐れている。ロシアとヨーロッパNATOの直接の戦争はないだろうが、ウクライナ支援は継続していくであろう。

そうすると戦争は長期化し、トランプが期待する停戦はありえないことになる。

イランとアメリカとの覚書締結の難しさは、現在の世界の覇権の布置の難しさをそのまま反映している。かつての世界の警察官としてのアメリカの役割が失われているということである。しかし、その役割を中国が担うには、まだ十分ではない。それはロシアにも言える。

このような中、アメリカとロシアのみならず、中国にまで戦争が拡大すれば、戦争を止める国はこの世界にはいなくなるだろう。その点で、東アジアにおける平和維持は、世界平和を維持するためにこれまで以上に重要なことであることを忘れはいけない。

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