INDEX
シェルターの普及に取り組む自民党の「シェルター(堅固な避難施設)および地下利用促進議員連盟」(古屋圭司代表)で事務局長を務める佐々木紀・国土交通副大臣に、現状や課題について聞いた。
――日本では戦後長らく、本格的なシェルター整備は進められてきませんでした。なぜ今、必要性が強調されるのでしょうか。
世界を見渡すと、国際情勢は非常に不安定になってきている。日本の周辺には、台湾有事という懸念もある。北朝鮮からはミサイルが頻繁に発射され、日本海に落ちている。武力攻撃だけでなく、南海トラフ地震や首都直下型地震がいつ起きるかもわからない。万が一への備えを進めることは非常に大切だ。国民の不安に寄り添うという意味でも、シェルター整備は必要な政策だと考えている。
――政府は3月末、基本方針を策定しました。
30年度までに、市区町村単位でシェルターの人口カバー率を100%にする方針を掲げた。ポイントは5つある。
第1は、その人口カバー率だ。従来は都道府県単位で100%を目標とし、これはすでに超えている。今後は市区町村単位で100%を目指す。第2に、官民連携を前提とすること。これまでは公共施設が中心だったが、民間施設の活用を一層進めていく。第3に、従来のカバー率のベースである夜間人口に加えて、昼間人口のカバー率でも100%を目指す。東京都では周辺の県に住む人が多く、昼間人口が夜間人口をだいぶ上回っている。日中の有事にも備えなければならない。第4に、自然災害対策としての利用等を含めたデュアルユースだ。地震だけではなく、鉄道が止まってしまったときの帰宅困難者の対応政策等とも連携し、施設の確保を進めていきたい。第5に、これまでは地上施設が多かったが、地下施設の活用を視野に入れてやっていく。
地方の施設確保には工夫が要る
――シェルターの確保に当たり、都市部と地方部では、状況がだいぶ違います。
都市部、特に東京都には、シェルターの対象となりうる施設がかなりある。地震や帰宅困難者対策への備えと併せて、有事、武力攻撃への備えにも活用するという形で指定や整備を進めていくことができる。また、東京都では今、地下鉄・麻布十番駅の防災倉庫をシェルターに活用する整備を進めている。こうした地下の活用は1つのカギになる。
この記事は有料会員限定です
残り 1687文字

