ついに7万円台にのせるようになった日経平均株価。株価上昇の原動力は、キオクシアホールディングスのようなAI・半導体に関連する製造業への幅広い買いだ。特に嗅覚の鋭い海外投資家は、まだ広くは知られていないが実はAIデータセンターのサプライチェーンに不可欠という、日本の製造業を物色している。
そんな製造業の1社が、東京都大田区にあった。コネクタと半導体検査用ソケットの老舗メーカー、山一電機である。
データセンターの「背骨」で世界7割
「海外からの投資家訪問が近年、驚くほど増えています。これまで海外IRをほとんどやってこなかったのに」。山一のIR担当者はそう打ち明ける。山一の株価は22日に過去最高値を更新。株価は過去1年間で4倍以上になっており、時価総額はついに2000億円を突破した。
山一は1956年創業で約70年の歴史を持つ。創業当時はテレビやラジオに不可欠な真空管向けのソケット(パーツを抜き差しできるようにするための部品)を手掛け、その後も長く家電製品向けのソケットとコネクタ(データや電力をやり取りする接続部品)を主力としてきた。
ところが現在は家電向けビジネスはごくわずか。代わって、ソケットは半導体製造の後工程で使われる検査用に特化、コネクタもデータセンターやEVに使われる高性能・高付加価値品に集中している。
2026年3月期の業績は売上高526億円、営業利益115億円(営業利益率22%)で、過去最高益を更新した。この好業績を牽引したのが、AIデータセンター向けの通信コネクタだった。コネクタ事業部門は同期、売上高30%増、営業利益263%増と爆発的成長を遂げているのだ。

果たして今後の見通しはどうなのか。山一の成長戦略について詳しく見ていこう。
この記事は有料会員限定です
残り 2494文字

