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26年《春ドラマ視聴率ランキングTOP10》で起きた"異変" 「日曜劇場」が王座陥落…「2桁視聴率ゼロ」だが健闘作は?

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26年の主な春ドラマをランキングで振り返る(画像:筆者作成)
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そのキャラクターも演者もとてもいい。家族にないがしろにされる主婦を麻生久美子、文学オタクの銀座のバーのママを波瑠、ママの同級生の寡黙な刑事を栁俊太郎が演じ、この3人の人間性が、ゆったりとした時間が流れるドラマの世界観を作っていた。彼らの言動や思考には、社会のさまざまな“当たり前”に対するアンチテーゼのようなものも感じた。

全話視聴率は4.9%と伸び悩んだが、そのストーリーとキャラクター設定、キャラクター同士の関係のあり方には新規性があり、強く引きつけられるドラマだった。シリーズ化を期待したいところだ。

人生の残酷さと社会の闇をリアルに描いた『刑事、ふりだしに戻る』

今期のダークホース的な存在であり、個人的に最もひかれたのが、タイムリープサスペンス『刑事、ふりだしに戻る』(テレビ東京)。

意図せず時を超えて2周目の人生に飛ばされたアラフォー刑事が、10年前の未解決事件の真相を追い、殺された恋人を守るために“その日”に向かう物語。シリアスなストーリーと、演出による細かな笑いのギャップが心地よくもありながら、物語に視聴者を引き込むフックになっていた。

本作が描くのは、人生の残酷さだ。数奇な運命に翻弄される主人公と、悲痛な過去を背負う同僚刑事のバディを通して、現代社会の闇をリアルに映す。タイムリープがベースのSFものだが、そこで描かれるのは、登場人物の息吹も体温も感じる、リアリティのある社会派ドラマだった。

また、主演の濱田岳の個性を存分に引き出す演出が随所に光っていた。すでに注目されている俳優ではあるが、メインストリームの新たなバイプレイヤーのスターを生み出したドラマになったのではないだろうか。

(画像:TBS『田鎖ブラザーズ』公式ホームページ)

同じ刑事ドラマでも、対照的にリアリティに欠けていたのが『田鎖ブラザーズ』(TBS系)。31年前に両親を殺された兄弟(刑事の兄役・岡田将生、検視官の弟役・染谷将太)が、未解決のまま時効になった同事件の真相と犯人を追い続けるクライムサスペンスだ。

一家惨殺事件で生き残った子どもをめぐるドラマは、豪華キャスト総出演で重厚な映像演出も光っていた一方、物語の謎ありきで構成されたような都合のいいストーリー展開をはじめ、さまざまな設定にリアリティがなく、凄惨な事件をキャッチにしただけの深みのないドラマに見えてしまった。

最終回のラストがSNSなどで話題になっていたが、本作には、犯罪に対する昨今の世間の感情とは異なる視点の犯罪者の描き方があった。町工場の社長が妻の病気の治療費のために拳銃密造に手を染める設定も滑稽だが、それを知った一家を惨殺する展開も強引であり、そんな犯罪者にどんな理があるわけもない。

なぜか犯罪の背景に善の要素を入れようとする昭和のドラマを観ているようだった。話題のラストは、キレイに締めくくられているようで、とても気分が悪い終わらせ方だった。

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